回せばビブラートがかかり、ピッチベンドホイールを回せばピッチを
上下する事が出来ます。
これらの動作はハードウェア的に固定されている訳ではないので、
実は自由にアサインして使う事が出来ます。また、各コントローラに
LFO(Low Frequency Oscillator)が2つ付いているので、複雑な変化を
かける事も可能になっています。
その辺のエクスクルーシブ・メッセージ(以下 Excl.)を解説します。
尚、Hを省略していますが数値は全て16進数です。
アサインを変更する事により、例えばモジュレーションホイールで
ビブラートに音量変化を伴わせたり、ピッチベンドホイールで
フィルタを開いたり、アフタータッチでピッチベンド出来ます。
また後述の様に、LFOを使ってトレモロやワウがかけられるので、
ひとつしかない貴重なEFX(インサーション・エフェクト)を占有されずに
済みます(但しパンを変化させる事は出来ないので、トレモロは
モノラルになります)。
88Pro取扱説明書の後ろの方に「第8章 資料」というページがあり、
そこに大量のExcl.が載っている訳ですが、その中にこんなのがあります。
40 2x 00 00 00 01 28-58 MOD PITCH CONTROL
40 2x 01 00 00 01 00-7F MOD TVF CUTOFF CONTROL
40 2x 02 00 00 01 00-7F MOD AMPLITUDE CONTROL
40 2x 03 00 00 01 00-7F MOD LFO1 RATE CONTROL
40 2x 04 00 00 01 00-7F MOD LFO1 PITCH DEPTH
40 2x 05 00 00 01 00-7F MOD LFO1 TVF DEPTH
40 2x 06 00 00 01 00-7F MOD LFO1 TVA DEPTH
40 2x 07 00 00 01 00-7F MOD LFO2 RATE CONTROL
40 2x 08 00 00 01 00-7F MOD LFO2 PITCH DEPTH
40 2x 09 00 00 01 00-7F MOD LFO2 TVF DEPTH
40 2x 0A 00 00 01 00-7F MOD LFO2 TVA DEPTH
この後、同じような項目でBEND、CAf、PAf、CC1、CC2 と続きます。
(BEND=ピッチベンド、CAf=チャンネル・アフタータッチ、
PAf=ポリフォニック・アフタータッチ)
これらをひとつずつ見て行きます。2xの x はMIDIチャンネルで、
1~16ch.がそれぞれ21、22、23、24、~2F となり、20はドラム
チャンネル(10ch.)です。
■40 2x 00 MOD PITCH CONTROL
モジュレーションホイールでピッチベンドの様にピッチ変化をつける
パラメータです。初期値は40H(64)で0になっているのでピッチ変化は
しません。初期値から1上がるごとに変化幅が半音広がり、最大で
+24(2 Oct.)まで設定出来ます。
BEND の場合は初期値が42H(66・±2半音)になっています。
■40 2x 01 MOD TVF CUTOFF CONTROL
モジュレーションホイールでフィルタのカットオフ周波数を変化させ
ます。初期値は40H(64)で0になっているのでフィルタ変化しません。
数値を上げるとモジュレーションでフィルタが制御出来、数値を
40H(64)以下にすると、音が籠もった感じになって行きます。
■40 2x 02 MOD AMPLITUDE CONTROL
モジュレーションホイールでそのMIDIチャンネルの音量を変化させ
ます。初期値は40H(64)で0になっているので音量は変化しません。
数値を上げるとモジュレーションで音量が変化する様になります。
※変化させるMIDIチャンネルのボリューム、エクスプレッションに
対する相対変化になります。
■40 2x 03 MOD LFO1 RATE CONTROL
LFO1のスピードを設定します。初期値は40H(64)で、数値を上げる
ごとに揺れのスピードが速くなります。
サイン波で揺れますが、揺れ始めは必ず+方向からです。
40H(64)以下にしてモジュレーションを上げて行くと、揺れ幅が大きくなるに
つれ揺れのスピードが遅くなり、一定以上で効果がなくなる(揺れなくなる)事も
あります。
揺れなくなった時はその瞬間の音程で揺れが停まってしまうので注意が必要です。
↑赤はモジュレーションの数値(0~127)
発音のたびに新しくLFOが揺れ始めるので、同じタイミングで発音する和音は
LFOの周期が合って綺麗に揺れますが、アルペジオの様に発音タイミングがずれ
た和音では揺れの周期も個々の音でずれる為、音が汚く聞こえる事もあります。
■40 2x 04 MOD LFO1 PITCH DEPTH
LFO1のスピードでピッチを揺らします。ビブラートと同じ効果が
得られ、数値を大きくするほど効果が深くかかります。
MOD の場合は初期値が0AH(10)になっています。
■40 2x 05 MOD LFO1 TVF DEPTH
LFO1のスピードでフィルタを開閉します。レゾナンスを少しかけると
ギター等で使うオートワウのようなワウワウ効果が得られます。
初期値は00H(0)で、数値を上げるごとにフィルタの変化幅が大きく
なります。
■40 2x 06 MOD LFO1 TVA DEPTH
LFO1のスピードで音量を揺らします。エレピやギター等で使う
トレモロ効果が得られます。初期値は00H(0)で、数値を上げる
ごとに音量の変化幅が大きくなります。
■40 2x 07 MOD LFO2 RATE CONTROL
■40 2x 08 MOD LFO2 PITCH DEPTH
■40 2x 09 MOD LFO2 TVF DEPTH
■40 2x 0A MOD LFO2 TVA DEPTH
これらは上記LFO1と同様です。LFOの周波数を個別に設定出来る
ので、LFO1でピッチを速く揺らしながら、LFO2でゆっくりフィルタを
揺らす等の複合技が出来ます。
以降の項目 BEND、CAf、PAf は、ピッチベンドホイールとアフター
タッチ(チャンネル/ポリフォニック)の設定ですので、上記 MOD の
解説をそのままピッチベンド、アフタータッチに読み替えれば良い
訳です。
次にCC1、CC2と続きますが、これは
■40 1x 1F CC1 CONTROLLER NUMBER
■40 1x 20 CC2 CONTROLLER NUMBER
で設定したコントローラを使った場合の操作子です。シンセに
データエントリースライダ等が独立して存在する場合は、シンセ側で
このスライダにコントロールチェンジ番号(CC#)を設定しておき、
CC1/CC2のどちらか使いたい方にも同じCC#番号を設定する事に
よって、ピッチベンドやモジュレーション等のコントローラを活かした
まま各パラメータをリアルタイム変化させる事が可能です。
ただし、設定するCC#は未定義の番号でなければなりません。
CC#1や64など既に決められているCC#を使うと、そのCC#に
割り当てられているパラメータ(モジュレーションやペダル等)も
一緒に変化してしまいます。
ちなみに CAf、PAf、CC1、CC2は初期値が00H(0)または40H(64)に
設定されているので、初期状態では何の効果もありません。
MOD、BEND にはそれぞれ初期値が設定されているので、元々の
変化を望まない場合は初期値を変更して、00H(0)に設定する必要が
あります。
例えばモジュレーションホイールで音量を変化させたい時は
MOD AMPLITUDE CONTROL の値を変えますが、このパラメータ
だけを変更してもMOD LFO1 PITCH DEPTH の値が初期値として
0AH(10)になっているので、モジュレーションホイールを回すと、音量
変化と共にビブラートもかかってしまいます。
そのため、音量だけを変化させたい時はMOD LFO1 PITCH DEPTHの
値を変更して、00H(0)にする必要があります。
変化させたパラメータはGSリセットを受信すると、全て初期値に戻ります。

