2016年06月08日

88Pro 光デジタル出力化の薦め

昔から言われている事ですが、実機の88Proは音が悪いです。VSTi化された
SCVAやiOS版は使っていないのでどうか分かりませんが、実機は音が悪い。
具体的に言うと音が籠もっている。

88Proは波形メモリを40MB※積んでいますが、サンプリングレートが
18bit・32kHzなんです。これは単純にDA変換すると、16kHzくらいまでで
頭打ちになってしまうんですね。44.1kHzでサンプリングされたものなら
22.05kHzまで出ますから、人間の聴感の限界(20kHz)まで出ていると
言えます。この4kHzの差というのはかなり大きくて、高音成分が足りて
いない為にやはり籠もって聞こえるというのが現実です。

※16bitリニア換算(波形ROMは32Mbit Mask Rom uPD23C32000 ×5、
1個あたり4MB×5で実質20MB)。

ちなみにヤマハのMUシリーズは恐らく44.1kHz波形。

88Proはシステムエフェクトに2バンドのEQが付いていますが、高域側を
6kHz・GAIN +12の全開にしても、まだ足りないです。8kHzか10kHz
だったらまた違ったかも知れませんけどね~…。

波形メモリを際限なく積めるのであれば、贅沢に容量をガンガン使ってとても
高音質な音源に出来るのですが、88Pro発売当時('96)の半導体メモリの
価格情勢を考えると、10万円台では精一杯の容量ではないでしょうか。
最近のシンセでは既に、GB単位で波形が載っています。


で、ただでさえ音が悪いのに加えてDA変換された後のアナログ出力を使う
のでは、余計に音が悪くなってしまいます。せっかく内部的にはデジタルで
扱われているのだから、DA変換を通る前のデジタル信号を直接引き出して
しまえ!と思う方は過去に多数いました。
事実、「SC-88 デジタル出力」などで検索すると、実にたくさんのサイトで
この話題を取り扱っているのです。うちの88Proももちろん光デジタル出力化
済みで、2003年に改造してから現在まで元気に稼働してくれています。


ちなみにデジタル出力化したからと言って、20kHzまで出るようになると
いう訳ではありません。無い袖は振れないのです。
ですが、DA変換を通る前の純粋なデジタル信号なので、アナログ端子に
比べて格段にノイズが少ないです。音を鳴らしていない時はほぼ完全に
無音になります。
アンプの音量を上げると「サー」という音がかすかに聞こえたりしますが、
これもありません。つまりS/N比が向上する訳です。


以前はよくTC9231・TC9271などが使われたのですが、残念ながらいま現在
これらのICはディスコン(生産終了)になっていて、ほとんど手に入りません。
自分は改造した当時、失敗した時の事を考えて3つ買っておいて一発で成功
したので2つ余ってますが、今となっては古いジャンク品から取り出したり
しない限り、手に入らないでしょう。

しかし他の似たような動作をするICを使った改造記事もない訳ではないので、
最近中古で88Proを手に入れた方は是非デジタル出力化される事をお薦め
します。

↓ちなみにこれは予備で作った回路。
88ProDigitalOut.jpg

裏返しに付いているICがTC9231で、この回路自体はUYOさんという方がサイトで
公開されていたものを参考にさせて頂きました。7805が乗ってますが、88Pro内
から+5V取れるので、実際には不要です。
残念ながらUYOさんのサイトは閉鎖されてしまったようですが Web Archive に
残っているので、参考までにそちらにリンクを。
Roland SC-88の光デジタル出力改造(^^)

別の回路は efu さんが作成されたものが同様に Web Archive に残っています。
SC-88 Pro への Digital Out 追加





posted by ゆう at 2016年06月08日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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