済みましたが、被害に遭われた地域の皆様にはお見舞い申し上げます。
今回はちょっとした研究…というか単にICを観察してみただけの記事です。
そのICは、レベルメータ(VU)用の MSL9351。
以前使用していた旧PCはデスクトップ型ですが、5インチベイ部分にLEDの
VUメータを埋め込んでおりました。
サウンドカードのライン出力から信号を取り、LEDのバーが音に合わせて
光るようにしていましたが、最近はこのPCも全然使っていないので、VU
メータを取り外したついでにちょっと観察してみます。
取り外したVUメータ。5インチベイのフタに直接取り付けています。
相変わらず穴あけの加工精度がゴミレベルですが、そこは置いといて…。
VUメータ、以前製作した針式アナログメータも良いですが、LEDタイプも
捨てがたいですね。ナイトライダー世代にはたまらない。
裏は基板丸出しです。
ご覧の通り、何かの製品に搭載されていた基板をそのまま流用していますが、
ラインレベルの信号では弱すぎる為、オーディオアンプIC TDA2822 を使っ
た簡単なアンプを作り、信号レベルを増幅しています。
単に光っているのを見て楽しみたいという目的だけで作ったので、dBなどの
細かい事は気にしません。
中央にあるのがSONY MSL9351。OKI MSL9350RS のOEMらしいですね。
9351 を 9350RS に入れ替えてもピンコンパチで動作します。ただ、古い
ICなのでデータシートは見つかりません。
大体'70年代終盤~'80年代初頭のカセットデッキに良く使われていたようで、
上の3機種が代表的。それにしても昔のオーディオ機器はかっちょいい。
L/R独立して16個のLEDを光らせています。しかしIC自体は18ピン DIP で、
どう考えてもピン数が足りません。どうなっているんでしょうか。
MSL9351 を使用したレベルメータが搭載されていた SONY TC-K71 サー
ビスマニュアルの回路図です。
この回路から分かる通り MSL9351 は8+4の出力を持っていて、16+16=
32個のLEDを8個ずつの4グループに分けて、ダイナミック点灯させている
ようですね。
MSL9351 のブロックダイアグラムです。
入力されたアナログ信号は、内部の4ビット ADC でデジタルに変換されて
います。信号は左右独立したメモリ回路に渡されていますが、この辺りが
ピークホールド回路でしょう。
※画像内の表記、間違ってますね。D/A ではなく A/D です。
M1のピンにオシロを当てて、ダイナミック点灯の様子を見てみます。
15ピンの信号は、428Hzの矩形波が出ています。この信号で駆動している
トランジスタはPNPなので、電圧が下がった時に4グループのうちの1つが
点灯する感じでしょう。1グループ当たりの点灯時間は2.3ミリ秒かな。
各セグメント出力のO1の信号を見ると、1.71kHzになっています。
こちらもパルス点灯になっているようですね。LEDから見ると K カソード
側です。
回路図の右上に Q6 T13N1 という部品があります。これ N13T1 の誤植。
N13T1 はNECのPUT(Programmable Unijunction Transistor)です。
とうの昔にディスコン(廃番)となっていて、後継は2N6027 や BRY56A。
N13T1周辺の回路。抵抗の定数などは回路図と一部異なっている模様。
長いことPC内にあったので、ホコリがすごい(笑)。
このPUTを使って簡単な発振回路を作ってあり、パルスごとに MSL9351 の
12ピンをGNDレベルに落としています。
12ピンの波形です。およそ2秒ごとにパルスが出ていますね。このパルスで
トランジスタを駆動し、47Ωを介して12ピンをGNDに落としています。
12ピンはメモリコントローラに行っているので、GNDに落ちるタイミング
でピークホールドを消去しているのでしょう。
とまぁざっと MSL9351 を観察しましたが、こうやって細かく見て行くと、
色々な事が分かって楽しいですねぇ。
出来ればデータシートも欲しかったですが。
※2024/08/21 追記:リフレッシュレートを変更する記事は、こちら。
LED VUメータ用IC MSL9351のリフレッシュレートを変える
LED VUメータ用IC MSL9351のリフレッシュレート下げ

