2024年05月29日

88Pro 修理後の経過

もうすぐ6月ですね~。また夏が始まってしまうのか…。そろそろ梅雨入り
する季節ですが、DTMerの皆さまにおかれましては全裸レインコートDTM
が捗っておられる事とお慶び申し上げます。


さて、この所特にやる事がなくて2週間ほどほったらかしだった訳ですが、
音の出なくなった SC-88Pro を修理して半年ほど経ちますので、この辺で
再度内部をチェックしておきたいと思います。

ちなみに動作は現在も問題ありません。


88ProRepairAfter01.jpg

デジタル基板側。お漏らししていたSMDの電解コンデンサを全て、普通の
スルーホールのアルミ電解コンに交換しましたが、以降お漏らしや膨張等は
していないようです。

SMDの電解コンを外したら、IPAや無水エタノールで基板をしっかりと洗浄
しておく必要がありますね。

自分はアルコールを基板に直接ぶっかけて、毛先の柔らかい歯ブラシで広い
範囲をコシコシして拭き取るという方法で洗浄しました。パターンや部品の
足を観察してみた限りでは、特に腐蝕など見られないので大丈夫そう。


88ProRepairAfter02.jpg

電源・アナログ基板側。こっちは電源の電解コンしか交換していないので、
アナログ出力側の劣化度合いは分かりませんが、目視した限りではお漏らし
などありませんし、出音もノイズなく正常です。


88ProRepairAfter03.jpg

という訳で、現時点ではこれまで通りの正常動作をしているので、今後それ
ほど気にする必要はないでしょう。

デジタル側基板のSMD電解コンは全てICやLSIなどのパスコンなので、この
電解コンがヘタって来るとロジック系の動作に支障をきたすと思います。


Broken88Pro.jpg

これは拾い画像ですが、ロジック系の動作がおかしくなるとこの写真の様に、
液晶ディスプレイの上半分だけドットが表示されるという症状が多いみたい
ですね。正常動作できずアッパッパーになります。

電解コンのお漏らしで容量が抜けたり、電解液によってハンダ付けや基板の
パターンが侵され導通不良になった結果、各チップが動作不良に陥ってこう
なると思われますが、自分の個体に発生した故障例のように、ロジック系は
正常動作しているのに音が全く出ない、という症状も割と多いようです。

侵され度合いが酷くなるとパターンが剥げてしまったりチップの足が腐って
もげたりもするので、何かしら動作不良の症状が現れたら早急に手当てして
あげる必要があります。
また、こういったスルーホール基板はビア(基板の表と裏とを繋ぐ小さな穴の
中を通るパターン)が電解液で腐ると、不良個所を探すのも大変。

パターンの剥がれは修復できない事もないのですが、チップの足が根元から
もげるとほぼ再起不能です(以前のレギュレータ修復のようにパッケージを
削る、という手も無くはないのですが…ほぼ絶望的です)。

基板の洗浄に、車の整備で良く使うパーツクリーナとか使えるんですかね~。
ハンダのヤニやフラックス汚れなどは綺麗に落ちるようですが、どのような
経年変化が現れるか未知なので、試せていません。大丈夫だとは思うけど。

※スプレー系の洗浄剤は急冷されて結露する事があるので、洗浄後は完全に
乾燥させないと、部品の足が錆びる事があります。


電源の電解コンが容量抜けを起こした場合も、ほぼ同じような症状が出ると
思われます。リプルが多発してロジック系の動作が不安定になる、アナログ
出力にハム(ブーンというノイズ)が出る、などなど。


アナログ系に多数使われている電解コンに関しては、正直どのような症状が
出るのか分かりません。自分はもう長い事デジタル出力で使っているので…。
ノイズが乗る、通電して数分経つと音が出なくなる等が、良くある症状では
ないでしょうか。
背面のライン入出力端子に挿したプラグを動かすと、音が出たり出なくなっ
たりするのなら、ハンダ割れの線が濃厚です。
アナログ系に電源を供給している2つのレギュレータも、ハンダクラックが
起こりやすいので要チェックなポイント。


また、ディスプレイのバックライトは電源の+5Vレギュレータに直結されて
いるので、そもそもバックライトが点灯しないという症状の場合は、電源の
回路(トランス、整流回路、レギュレータ周り)がダメになっている可能性が
高いです。


これからも元気で動いておくれよ、わしの88Pro。



posted by ゆう at 2024年05月29日| Comment(0) | SC-88Pro | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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