季節になりましたが、DTMerの皆さまにおかれましては、アレとかコレとか
色々捗っておられる事とお慶び申し上げます。
さて、PCパーツの中では電源と並びほぼ消耗品扱いのHDDですが、壊れた
HDDをグラインダとして使う手法が昔からあるようです。
これ自分も過去何度か試しているのですが、連続回転させられないんですよ
ね~。単純に通電しただけだと、しばらく回った後に止まってしまいます。
物によってはプラッタに負荷をかけたら、裏の部品が燃えてしまったり…。
クラッシュしたHDD開けてグラインダーにして遊んでたら焦げ臭くなって煙が出たので基板を外してみたら、何か燃えてた。 pic.twitter.com/1fN33b18Wt
— ゆう@S15 (@Y_155) July 25, 2017
今回は別に駆動回路を作る事で、このHDDのモータを連続回転させてやり、
グラインダとして使えるようにしてみます。
という訳で回路図。
MOSFET×3、ダイオード×6、抵抗×4、可変抵抗×1で出来る簡単な回路。
この回路、どこかで見たような…と思ったら、以前作った 自作IH の回路と
ほぼ同様ですね。3相で発振させる事でHDDのモータ(BLDCモータ)を回す
ようになっています(BLDC = Brush Less DC Motor、無整流子電動機)。
そこそこのトルクがあって高速で回転し、しかもHDDは高精度に作られて
いるのでブレもなく静かに回ります。
で、完成。
ダイオードの足が太すぎてユニバーサル基板の穴に入らず、仕方がないので
空中配線で済ませたら、なにやらオーパーツみたいになってしまった。
MOSFET は IRF634A、ダイオードは3Aくらいの適当な整流用ダイオード。
※IRF634A:250V 8.1A RDS(ON)=0.45Ω
電源電圧5Vでそれほど発熱はしませんが、一応MOSFETには放熱板を付けた
方が良さそうですね。ただ、各MOSFETのタブには3相の各相が出ている為、
絶縁する必要があります。
使うHDDはこちら。既にクラッシュしていて10年くらい前からずっと放置
していた HGST の82.3GB IDE HDD、2006年製。こいつを分解します。
制御基板は大した部品が取れなさそうですね。今回は使わないのでポイ。
全てのネジがトルクスです。また、ラベルの下にも1つ隠しネジ有り。
以前 iPhone 用に買った特殊ドライバセットに、ちょうど合うビットがあり
ました。ネジを全部外してバラバラに分解ババンバーンします。
このHDDはプラッタ1枚だけですね。
これがHDDのBLDCモータです。普通のモータと違うので、単純に+と-を
繋げば回るという物ではありません。でもブラシがないのでノイズを飛ばす
事もなく静かに回ります。
まずはこの4つの端子の抵抗値を測ります。3つのコイルがあって1つだけが
コモン(共通)になっているので、そのコモンを探します。
このBLDCモータでは、
1-2:1.25Ω
1-3:1.25Ω
1-4:1.25Ω
2-3:2.5Ω
3-4:2.5Ω
2-4:2.5Ω
となっている事から 1 の端子がコモンだと分かりました。抵抗を測る以外に
緑丸だけ他と比べて太い線が出ていますね。コイル3つ分の配線がまとめて
繋がっているので、これでもコモンと判別できます。
このコモンの端子が電源+になります。
駆動回路と繋ぎました。
一応回転が分かりやすいように、プラッタにマスキングテープを貼り付け。
5Vを通電したら、可変抵抗を回してみます。すると発振周波数が変化して
モータのコイルから「キュ~~~~」という音が鳴るので、軽くプラッタを
回しながら可変抵抗を微調整。すると、ある所でキュイイィィ…と軽快に回り始め
ます。自力で回転を始められないのが難点。
MOSFETの D(ドレイン) には触らないようにしましょう。モータの逆起電力
がかかっているので、電源電圧によっては感電します。
えぇ、感電しました。2つのMOSFETのタブを2本の指で触れたらズビビッと。
成功ですね。かなり高速で回っています。可変抵抗で若干ですが回転速度の
可変も可能(ただし回し過ぎると発振が止まってしまいますが)。
上手く発振周波数を合わせれば、普通に5,000 r.p.m.とかで回せる模様。
しかしここで重大な事に気付く。プラッタに貼る紙ヤスリがなかった…😇
分解の戦利品。やっぱりネオジム磁石と、ヘッド軸の高精度なベアリング位
しか得られる物はありませんね。
とりあえず回す事は出来たので、紙ヤスリを買って来たら実際にグラインダ
として使ってみようと思います。
※2024/06/08 追記
そう言えばセ○アの紙ヤスリがあった事をすっかり忘れておりました。
荒い番手でガリガリ削る程のトルクはないので、今回は#400を使用。
プラッタの形に切り抜いて、裏面に強力両面テープを貼り付け。
ペタッとな。
ガリガリガリ。
チュイーン。結構な勢いで削れますね。
無負荷の状態で、1Aくらい流れています。モータに負荷をかけるとその分
電流も多少増えますが、それでも1.5Aを超えない程度なので、MOSFET も
それほど発熱しません。
気になるのは、確かHGSTのHDDってガラスプラッタだったような…。余り
強く押し付けたりするとプラッタが割れて危険な気がするので、軽い研削に
しか使えませんね。
15秒ほどで金属の棒ヤスリが結構削れました。
うん、HDDグラインダ良いかも知れない。

