2024年06月07日

HDDグラインダを作ってみる

いよいよ暑くなって来ましたな。同時に雷も多くなり一年の中で最も嫌~な
季節になりましたが、DTMerの皆さまにおかれましては、アレとかコレとか
色々捗っておられる事とお慶び申し上げます。


さて、PCパーツの中では電源と並びほぼ消耗品扱いのHDDですが、壊れた
HDDをグラインダとして使う手法が昔からあるようです。

これ自分も過去何度か試しているのですが、連続回転させられないんですよ
ね~。単純に通電しただけだと、しばらく回った後に止まってしまいます。
物によってはプラッタに負荷をかけたら、裏の部品が燃えてしまったり…。



今回は別に駆動回路を作る事で、このHDDのモータを連続回転させてやり、
グラインダとして使えるようにしてみます。


HDD Grinder01.png

という訳で回路図。
MOSFET×3、ダイオード×6、抵抗×4、可変抵抗×1で出来る簡単な回路。

この回路、どこかで見たような…と思ったら、以前作った 自作IH の回路と
ほぼ同様ですね。3相で発振させる事でHDDのモータ(BLDCモータ)を回す
ようになっています(BLDC = Brush Less DC Motor、無整流子電動機)。

そこそこのトルクがあって高速で回転し、しかもHDDは高精度に作られて
いるのでブレもなく静かに回ります。


HDD Grinder02.jpg

で、完成。

ダイオードの足が太すぎてユニバーサル基板の穴に入らず、仕方がないので
空中配線で済ませたら、なにやらオーパーツみたいになってしまった。
MOSFET は IRF634A、ダイオードは3Aくらいの適当な整流用ダイオード。

※IRF634A:250V 8.1A RDS(ON)=0.45Ω

電源電圧5Vでそれほど発熱はしませんが、一応MOSFETには放熱板を付けた
方が良さそうですね。ただ、各MOSFETのタブには3相の各相が出ている為、
絶縁する必要があります。


HDD Grinder03.jpg

使うHDDはこちら。既にクラッシュしていて10年くらい前からずっと放置
していた HGST の82.3GB IDE HDD、2006年製。こいつを分解します。

HDD Grinder04.jpg

制御基板は大した部品が取れなさそうですね。今回は使わないのでポイ。

HDD Grinder05.jpg

全てのネジがトルクスです。また、ラベルの下にも1つ隠しネジ有り。

HDD Grinder06.jpg

以前 iPhone 用に買った特殊ドライバセットに、ちょうど合うビットがあり
ました。ネジを全部外してバラバラに分解ババンバーンします。

HDD Grinder07.jpg

このHDDはプラッタ1枚だけですね。


HDD Grinder08.jpg

これがHDDのBLDCモータです。普通のモータと違うので、単純に+と-を
繋げば回るという物ではありません。でもブラシがないのでノイズを飛ばす
事もなく静かに回ります。

まずはこの4つの端子の抵抗値を測ります。3つのコイルがあって1つだけが
コモン(共通)になっているので、そのコモンを探します。
このBLDCモータでは、
1-2:1.25Ω
1-3:1.25Ω
1-4:1.25Ω
2-3:2.5Ω
3-4:2.5Ω
2-4:2.5Ω
となっている事から 1 の端子がコモンだと分かりました。抵抗を測る以外に
緑丸だけ他と比べて太い線が出ていますね。コイル3つ分の配線がまとめて
繋がっているので、これでもコモンと判別できます。

このコモンの端子が電源+になります。


HDD Grinder09.jpg

駆動回路と繋ぎました。

HDD Grinder10.jpg

一応回転が分かりやすいように、プラッタにマスキングテープを貼り付け。


5Vを通電したら、可変抵抗を回してみます。すると発振周波数が変化して
モータのコイルから「キュ~~~~」という音が鳴るので、軽くプラッタを
回しながら可変抵抗を微調整。すると、ある所でキュイイィィ…と軽快に回り始め
ます。自力で回転を始められないのが難点。

MOSFETの D(ドレイン) には触らないようにしましょう。モータの逆起電力
がかかっているので、電源電圧によっては感電します。

えぇ、感電しました。
2つのMOSFETのタブを2本の指で触れたらズビビッと。

HDD Grinder11.jpg

成功ですね。かなり高速で回っています。可変抵抗で若干ですが回転速度の
可変も可能(ただし回し過ぎると発振が止まってしまいますが)。
上手く発振周波数を合わせれば、普通に5,000 r.p.m.とかで回せる模様。

しかしここで重大な事に気付く。プラッタに貼る紙ヤスリがなかった…😇


HDD Grinder12.jpg

分解の戦利品。やっぱりネオジム磁石と、ヘッド軸の高精度なベアリング位
しか得られる物はありませんね。


とりあえず回す事は出来たので、紙ヤスリを買って来たら実際にグラインダ
として使ってみようと思います。


※2024/06/08 追記

HDDGrinder13.jpg

そう言えばセ○アの紙ヤスリがあった事をすっかり忘れておりました。

荒い番手でガリガリ削る程のトルクはないので、今回は#400を使用。

HDDGrinder14.jpg

プラッタの形に切り抜いて、裏面に強力両面テープを貼り付け。

HDDGrinder15.jpg

ペタッとな。


HDDGrinder16.jpg

ガリガリガリ。

HDDGrinder17.jpg

チュイーン。結構な勢いで削れますね。

無負荷の状態で、1Aくらい流れています。モータに負荷をかけるとその分
電流も多少増えますが、それでも1.5Aを超えない程度なので、MOSFET も
それほど発熱しません。

気になるのは、確かHGSTのHDDってガラスプラッタだったような…。余り
強く押し付けたりするとプラッタが割れて危険な気がするので、軽い研削に
しか使えませんね。


HDDGrinder18.jpg

15秒ほどで金属の棒ヤスリが結構削れました。

うん、HDDグラインダ良いかも知れない。



posted by ゆう at 2024年06月07日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
最近の記事