全裸レインコートDTMが捗っておられる事とお慶び申し上げます。
BandLabで打ち込んだものをSC-88Pro用にデータ移植したいと思い立ち、
88Proの電源をパイルダーオンしたら、電源が入らなくなりました…。
うそん。まじでか。
電源スイッチは押された状態になっていますが、通電してもディスプレイの
バックライトが点灯しません。これは電源回路が逝ったかなぁ。
開けて各部の電圧やら電流やら抵抗やらを調べていたら、ふと気になる事が。
デジタル側5Vレギュレータがある辺りのリヤパネル(赤丸の部分)が、異様に
熱い。体感だと50℃くらいはありそう。今までこんなに熱くなった事はない
です。
う~ん、やっぱり何かがおかしいな。発熱しているのはデジタル側のレギュ
レータなので、デジタル側基板の5V供給端子の抵抗を測ってみたら…。
ゼッ…。
0Ω…。つまりデジタル側の5Vレーンがショートしているという事。ここの
電圧を測ると、0.27Vしかありません。やっぱりショートっぽい。
どこでショートしているのか調べる為に、アナログ基板へと繋がるフラット
ケーブルや自作のS/PDIF回路を外して電源を入れると、ちゃんと5V出てる。
S/PDIF回路は外したままフラットケーブルだけ戻して電源入れたら、普通に
動きました。
えっ。もしかして自作のS/PDIF回路が悪さしてる…?
自作のS/PDIF回路です。作ったのは20年以上前。
ずーっとディスプレイ裏のすき間に突っ込んであったので、取り出したのは
20数年ぶり。
コネクタを外し、この回路単体で電源+-間の抵抗を測ると、やっぱり0Ω。
この回路が悪さをしているのは確定ですね。
いや良かった~、88Pro側が壊れたんじゃなくてホント良かった。
さて、この基板はIC3つと電解コンデンサしか載っていませんが、ICが故障
したにしてもショートモードで壊れるというのは考えにくいです。
となると、やっぱり電解コンかな。取り外して単体で抵抗値を測ると…。
あー、やっぱり0Ωだわ。
色でお察しの通り、この電解コンは三洋製(現Panasonic)の OS-CON です。
OS-CONはショートモードで壊れるという話は以前から聞いてはいましたが、
いやまさか自分が体験するとは。本当にあるんだなぁ。
タンタルがショートモードで壊れて丸焦げになったり、半身吹っ飛んでいる
のは良く見かけますが、OS-CONは初めて見ました。
若干足がくすんでいるようにも見えるけど、お漏らしはしていない模様。
OS-CON に関するドキュメントをPanasonicのサイトで読んでみると、
■導電性高分子を用いて低ESRを実現
・ インピーダンスが理想的な周波数特性で、各種ノイズ除去用としてのデカップリングコンデンサに適しています。
・ リプル電流を多く流すことができ、スイッチングの平滑用コンデンサとして、小型化に適しています。
・ 高速で大きな電流を消費する回路での、バックアップコンデンサとして適しています。
とある一方で、
異常対応・取扱条件
■ 故障モードは、はんだ付けや使用温度環境による熱的ストレスや、電気的ストレス、機械的ストレスなどを主因とするショートモードが主体です。
と書かれています。自分の88Proはファンで強制空冷しているので、内部の
温度はさほど上がりません。となるとやはり、長期に渡って使って来た為の
経年劣化と電気的ストレスでしょうね。
33uF / 16V のものを付けていたので、同じものに交換しました。
ただこれも元付いていた物と同時期に買ったものなので、いつまで持つかは
分かりません。未使用で保管していたのですぐには劣化しないと思いたい。
交換後、元通り組み立てて再び電源が入るようになりました。出音チェック
しても問題ない様子。
電源が入らなくなるという症状は初めてだったのでだいぶ焦ったのですが、
88Pro側の故障でなくて良かったです。
また壊れたらもう普通のアルミ電解にしようかな。

