全裸DTMが捗っておられる事とお慶び申し上げます。
以前 PC-9821 RGB接続まとめ の記事中に追記した、セガサターン用のAV
ケーブルを使って、RGB→VGAケーブルを作ってみました。
以前もピンヘッダを使って1本作ったのですが、根本の処理が雑で弱々しく
断線しやすかったので、まともな物を作りたかった。
セガサターン用のS端子付きAVケーブルです。お値段¥600ほど。
純正品ではないのでしょうが、値段の割にプラグはしっかり金メッキされて
いて、意外にも品質は良かったです。
サターン側のプラグ。これこれ、これが欲しかったんですよね。購入時この
プラグのピンが写真に写っていなかったので、S映像やコンポジットの配線
以外ピンが省略されていたらどうしよう…と思っていましたが、10ピン全て
入っていて一安心。
という訳でここだけ配線をぶった切り。これを加工して行きます。
まず外側のモールドをカットして、中身を取り出し。
根元の白い樹脂を取り除きます。ホットボンドではなくポリエチレンか何か
なので、ちょっと剥がすのに苦労します。
内側の端子と外側のFG (Frame Ground) を分離。
98ノートのRGB端子にすんなり挿さりました。規格が全く同じなので、特に
加工せずともシンデレラフィットです。すばらっ…!
GNDにFGを使わないのであれば、このピンだけでも問題ありません。
FGの方は若干98のメスと形状が違うので、加工する必要があります。
こんな感じで加工します。
FGの平らになっている部分は、ラジオペンチ等で丸く形成し直し。これで
入るようになりました。
FGの内側に回転止めの出っ張りがあるので、端子側の黒い樹脂部分ににその
出っ張りがはまるよう溝を掘ります。そこへ上下逆にした端子をはめ込めば
おk。
VGAケーブルを配線しますか。繋ぐのはR/G/B各出力とH/V-Sync、左上の
ケーブル検出用ピン、FGの7本。FGが繋がっていれば、98ノート側端子の
3/5/7/9ピンは繋ぐ必要はありません(98ノート内でFGと導通しています)。
左上のケーブル検出用ピンはFGに繋ぎます。
VGAケーブル側のRGB各線はまともな物なら恐らくシールドになっていると
思うので、そのGNDは全部まとめてFGに繋ぎます。
配線図は以前の記事 PC-9821 RGB接続まとめ にあります。
ピン間が凄く狭いので、まず一番手間がかかる B の信号線を最初にハンダ
付けした方が良いです。
またピンの土台が樹脂なので、ハンダ付けでモタついていると樹脂が溶けて
ピンが抜けたり緩くなってしまうので、ハンダごてを当てる時間は極力短く。

このコネクタは安価な割にピンが二重ツバ加工されているので、多少は安心
してハンダ付け出来ますが、それでも手早く作業した方が良いですね。
FGを流用せずGNDは3/5/7/9のいずれか1本に配線して中のピンだけを使う
方法もあるのですが、どうしてもFGを活かしたかった。
接続完了。写真のようにFGに若干すき間が出来てしまうので、ここが挿す
時に広がらないように、根本の方でFGのすき間をハンダ付けしてしまうと
良いでしょう。
FGを万力やプライヤなどで挟んだ状態でハンダ付けしてしまえば、挿した時
中のピンが引っ込んでしまったり、抜く時にピンが飛び出たりして動くのを
防げます。
中のピンを入れた状態でハンダ付けしないと、後から入らなくなるので注意。
導通チェックをしたら、最初に取り除いた黒いモールドを被せてから外側に
熱収縮チューブを被せます。
TVのVGA端子に接続してテスト。綺麗に映っています。
RGBの配線間違いも無し。
実はプラグ内部の処理が不十分だったようで、撮影後98ノートから抜いたら
あっさり断線しちゃった…😢
なのでまたプラグを分解して配線を全てやり直し。ちゃんとプラグを持って
抜いたんだけどなぁ…。どうやら中のピンが引っ張られて断線したっぽい。
作り直しします。製作手順はここまでと同じですが、今度は配線とピン間に
ホットボンドをネッチョネチョに盛って動かないようにしてから、外の黒い
スリーブを被せて太めの熱収縮チューブで保護。
これにてようやく完成~。
挿し込む向きを誤ってピンを曲げたりしないように、トップ部分にはネーム
ランドで矢印を印刷して貼っておきました。
98ノート側はだいぶしっかり作ったので、抜き差しも問題ないですね。
純正のモールドに比べると強度は劣りますが、以前作った熱収縮チューブで
保護しただけのピンヘッダ製よりは丈夫になったはず。
これでまた楽に98ノートをTVに接続できますね。

