続いておりますが、DTMerの皆さまにおかれましては秋の豊穣全裸DTMが
捗っておられる事とお慶び申し上げます。
夏の暑さでちょっと更新をサボり気味なので、そろそろ積極的に色々作って
行きたいところ。今回は、2つのスイッチでDC用モータを正転・逆転させる
簡単な回路を作ってみました。
通常、モータを正転・逆転させるには、このようなモータドライバICが良く
使われます(写真はPS2の基板で6664がスピンドルモータ用、5810がトレイ
開閉用のチルトドライバ)。
しかし簡単な用途ではもっと楽に作りたいって事で、ICを使わずMOSFETや
トランジスタで作れて、極力部品点数の少ない回路を考えてみました。

回路図はこんな感じです。MOSFETには250V 8.1Aの IRF634A を使用して
いますが、小さなホビー用モータならBJTでも良いでしょう。その場合は、
B の抵抗を1k→220Ωなど小さくし、10kΩの抵抗も撤去します。真ん中の
コンデンサ0.1uFは無くても可。
という訳で完成。試作なのでブレッドボードに組んでいますが、しっかりと
基板にすればもっと小さく作れますね。
実験では電源電圧+5Vで動かしています。モータの回転が速過ぎると方向の
判別が出来ないので、48V用モータをゆるゆる回転させて動作確認。
動画を撮ってみました(約19秒・音声なし)。右のスイッチを押せば時計回り
に、左のスイッチを押せば反時計回りに回転します。
手動で開閉するフタ的な何かを電動で開閉する位なら、この程度の回路でも
十分実用になると思います。
但し、この回路には安全装置が一切ありません。スイッチを各々単独で操作
する分には問題ありませんが、同時押しすると酷い目に遭います(笑)。
電流の流れはこうなっていますが、同時押しすると両方のMOSFETが共に
ONしてしまうので、電源がショートする形になります。今回の実験では
電源が5V 1A程度なのでジワ~ッと熱くなる程度ですが、12Vや24Vなどで
同時押しすると大電流が流れ、MOSFETが破裂して吹き飛ぶ事もあります。
また、スイッチを直接モータの電流が流れるので、大きなモータを回すなら
大きなスイッチにしないと、接点が溶着する事があります。

一応安全策を講じた回路図も載せておきますか…。
MOSFETの G にトランジスタを追加しました。片方だけの動作の場合、この
トランジスタは特に影響しませんが、同時押しした場合は片方のMOSFETの
G をGNDに落とすので、最悪両方のMOSFETがONになる事はありません。
またリミットスイッチも追加しておきました。「ここまで可動させたい」と
思う場所にこのスイッチを設置すれば、その位置で自動的にモータの電源が
切れ、それ以上同じ方向には回らなくなります。
押すとOFFになるマイクロスイッチをプッシュスイッチと直列に入れるだけ
でも可。
こういう回路は車載用品のちょっとした電動化に便利かも知れない。車載で
使う場合は電源にヒューズをお忘れなく。
まぁ…6Pのセンター戻りバネが付いたトグルやロッカスイッチなら、こんな
回路すら要らないんですけどね…。

