DTMerの皆さまにおかれましては秋の残暑全裸DTMが捗っておられる事と
お慶び申し上げます。
今回は、以前から作りたいな~と思っていた物を作ってみました。これ↓。
写真出典:KNIGHT RIDER - KITT´s Scanner (HD) (YouTube)
そう、ナイトライダー ナイト2000の鼻先に付いているスキャナです。この
赤いランプが往復するシーンはナイトライダーの中でも特に印象深い訳です
が、これをどうしても作りたかったのです。
ちなみに以前「ナイト2000のアレの音の作り方」で音だけ作りました(笑)。
※普段は製作過程を細かく紹介していますが、今回はあまりに作業に熱中し
過ぎてしまい、写真を撮るのを忘れておりました。難題が多かったので…。
なので写真が少ないです、スンマソ😇
この回路では、ICを3つ使います。点滅周期を決めるパルス作りの NE555P、
点滅の往路・復路それぞれにディケイド・カウンタIC CD4017BE。それと、
NPNのトランジスタを4つほど。
CD4017BE : Decade Counter with 10 Decoded Outputs
回路はさほど難しくはないのですが、往路と復路で2つの4017を切り替える
部分でだいぶ躓きました。
回路図です。トランジスタは適当なNPNの2SC、ダイオードも1N4148等の
小信号用で可。NE555Pにぶら下がっている電解コン0.22uFの容量を大きく
すると、更にゆっくり往復させられます。
ゴチャッとしているLEDの配線を消すと、さほど複雑ではありません。作る
のであれば、発振回路、双安定マルチバイブレータを個別に汲み上げた後、
4017とLED周りを作れば良いでしょう。LEDの配線も4017(1)のQ1~Q7を各
LEDの1~7へ、4017(2)のQ1~Q7を各LEDの8~2へ繋ぐだけです。
動作としては…。
1:NE555Pがそこはかとなく良い感じのパルスをプリプリッと出す
2:そのパルスを4017 (1/2)の14ピン(CLOCK)に突っ込む
3:4017(1)が1~7個目までのLEDを点灯させる
4:7個目のパルスをトリガとして、トランジスタ4個で組んだ双安定マルチ
バイブレータ回路をスイッチ
5:4017(1) 15ピン(RESET) を H にする事で4017(1)はカウント停止、
4017(2) の同ピンを L にする事で、4017(2)の方がカウント開始
6:4017(2)が8~2個目までのLEDを点灯させる
7:4017(2) 2個目のパルスをトリガとして双安(略)が反転し、4017(2)の
15ピン(RESET) を H にする事で4017(2)はカウント停止、4017(1)の
同ピンを L にする事で、4017(1)の方がカウント開始
8:3に戻る
この動作を延々繰り返します。電源投入時、双安(略)は必ずどちらかのTr.が
ONになるので、両方の4017が同時にカウントしてしまう事はないですね。
…と説明するのは簡単ですが、
・4017(1)が1~7をカウントする間、4017(2)はカウントを停止する。
・4017(2)が1~7をカウントする間、4017(1)はカウントを停止する。
・カウントを停止させるには15ピン(RESET) を H に保つ必要がある。
この部分でとても苦労しました。上手く行かないと…。
うーん、思ってたのと違う。ラッチの動作が単体で実験した時と違う。こんなのが作りたかった訳じゃないんだ…。 pic.twitter.com/fyelTlhRO9
— ゆう@S15 (@Y_155) October 13, 2025
こうなっちゃいます🤣
「違う、そうじゃない。」
この点滅の仕方はK.I.T.T.の敵 K.A.R.R.の方。
最初は前回記事にあるように SN74HC74N や TC4044BP を単体で試した
ところ、希望する動作になったのでこれらを使ってみたのですが、どうも
回路に組むと出力 Q がH を保持してくれないんですよね。
4017のパルスを拾うと H になるものの、パルスが L になると出力 Q も
L になってしまう。4017の L 出力ってGNDに落ちるのかな。
で次にフォトカプラを使って自己保持回路を組んでみたものの、この場合は
H を保持出来ても L に落とすトリガを拾えなくなる(L に落とすトリガを出す
側の4017はReset が H なので停止している)。
色々と方法を考えた結果、辿り着いたのが双安定マルチバイブレータ回路。
7個目のLED点灯をトリガとして4017の(1)と(2)へ交互にReset信号を出す
事でようやく希望する往復運動となりました。
まぁその間なぜか復路の7番目が点灯しなくなって、あれこれ調べるも原因が
分からず4017(2)を他の物に交換してようやく直ったりとひと悶着あったりも
しましたが…。
で、この状態では4017の出力は単なる方形波なので、あの特徴的な残光が
再現出来ない訳です。「これは電解コンをぶら下げたトランジスタでLEDを
1つずつバッファリングしないとダメかな…」と思ったものの、面倒臭いので
各LEDに100uFの電解コンをぶら下げたら、そこそこ良い感じになりました。
電解コンの容量を220uFなどにすれば更に尾を引く残光が作れますが、速く
動作させた時に残光がぐっちゃぐちゃになって往復しているように見えなく
なります。また、余り容量が大きいと突入電流で4017が壊れるかも。
…と写真が少ないぶん文章で必死に埋めておりますが、ともかくそれっぽい
物が出来ましたよって事で。
こんなのアップダウンカウンタICかPICで作れば簡単なんでしょうけどね~。
さすがに電源を入れた時一度全点灯してから往復に移行する部分は妥協。
という訳で、動画(26秒・音声なし)にしてみました。もうちょっとゆっくり
往復できるようにしても良かったかな。
部屋を暗くして点灯させると、それっぽい感じが良く出ていると思います。
ネットを探すとこの手の工作は色々出て来るんですが、4017 1個だけ使った
6LEDの物が多いんですよね。あれは許せない。やはり8LEDでナイト。
現状ではまだブレッドボード上での製作なので、これはいずれユニバーサル
基板にちゃんと回路として作る予定です。
昔からずっと作りたいと思っていたのでね…観賞用として形に残したいです。
パッと見すごく複雑そうに見えますが配線のほとんどはLEDで、ロジックの
部分はそれぞれ数本しか繋がっていないので、製作はそれほど大変ではない
と思います。
橙LEDが3つありますが、これは単に発振や双安(略)の切り替えが正常に動作
しているかをチェックする為のもので、無くても動作します。
─重要─
このスキャナも車に取り付けて公道を走行すると不正改造や道路交通法違反、
道路運送車両法違反に問われる可能性があります。
車両等には取り付けないで下さい。

