2018年01月07日

ディレイいろいろ。

新年明けまして既に一週間が過ぎましたが、DTMerの皆様におかれましては、
今年も曲をたくさん作ったるぜー!と意気込んでおられる事と以下同文。



今回は、ディレイに関するお話をちょこっと。

ディレイはエフェクタの中ではリヴァーブ・コーラスと共にポピュラーな存在です。
メロディやブラスセクションに薄くかけるも良し、幻想的な矩形波系リードに深く
かけるも良し、ストリングスの和音にショートディレイをかけてコーラス風に使うも
良し。意外と万能な使い道のあるエフェクタで、今日の音楽制作の現場においては
不可欠な存在となっていますね。

そんなディレイの歴史を辿ってみたいと思います。
※かいつまんで大雑把に解説しているだけですので、細かい部分の仕様などは省いています。
ご了承くだしあ。




■デジタルディレイ

音源搭載のものや、ラック・ペダル型エフェクタに搭載されているディレイの多くは、
デジタルディレイです。

デジタルディレイの基本的な動作はサンプリングのそれと同様で、入力された音を
ADCによって符号化、RAMに一旦保存したのち、それをDACに流すという動作を
絶え間なく行っています。

DgtlDelay.png

タイマにディレイタイムを設定すると、その間隔でクロックが出力されます。その
クロックをトリガとしてRAMに保存した情報を順次DACに流しています。
フィードバックで設定された値の回数分だけトリガを飛ばして繰り返しながら、
徐々に音量を絞って行き、指定回数繰り返したらその保存された内容はRAMから
消されます。
なので、デジタルディレイはDSPチップのすぐ近くに大抵は数KBのRAMが載って
います。

88PDSP.png
SC-88ProのDSPに繋がれたDRAM

デジタルディレイの利点は3つあります。
一つ目は、残響部分の音質劣化がとても少ない事。ADC/DACのビットレートにも
よりますが、44.1kHz・16Bitであれば音質はCD並となり、原音に近い高音質な
ディレイが返ってきます。

二つ目はディレイタイムを長く設定できる点。
もちろん機器によって実用的な上限は決められていますが、鍵盤をワッと弾いてから
最初のディレイがワッと返ってくるまで3年かかる、なんていうものも作ろうと思えば
作れてしまいます(途中で停電しなければ、ですが…)。

三つ目は、複数のディレイを同時に扱える点。
ディレイにはタップという概念があり、個別に設定したディレイタイム・フィード
バックでディレイを同時に複数鳴らす事が出来る機種があります。

TapDelay.png
ディレイの複数タップ

ディレイの定位をタップごとにL・中央・Rと振り分けてやれば、非常に複雑かつ
広がりのあるディレイを得る事が出来ます。

※似たような名前にタップテンポディレイというものがありますが、タップテンポ
とは曲の拍に合わせてディレイのTAPボタンを押すと、そのタイミングに合った
ディレイタイムに設定してくれる機能で、ここでのタップとは意味が異なります。



■アナログディレイ

アナログディレイはデジタル⇔アナログの相互変換などは行いません。簡単に説明
すると、入力された音を一旦バケツに入れ、それを次のバケツに入れ…という具合に
音を次々「音の入れ物」に移し替えて行く作業をしています。
移し替えるのにわずかな時間がかかる為、移し替え終わって音が出る頃には原音から
時間が経過しています。

AnlgDelay.png

このようにして、一時保存せずリアルタイムに時差を作っていく事で、ディレイを
構成しています。このような構造をBBD(Bucket Brigade Device)と呼びます。
※Bucket=バケツ なので、まさにバケツリレー方式ですね。

このバケツの数が多ければ多いほど、長いディレイタイムを設定する事が出来、
バケツの数は「1024ステージ」という書き方で表されます。

アナログディレイはデジタルほど長いディレイタイムを設定する事は出来ません。
また、1ループごとにLPFを通過するので、ディレイ音は繰り返されるごとに音質が
劣化しこもった音になって行きます。
そのこもったディレイ音こそが、アナログディレイの特徴でもありますね。今でも
あえて温かみのあるアナログディレイを使うユーザが多いです。



■テープディレイ

これぞまさしくディレイの元祖です。説明よりもまず構造の図を見て頂いたほうが
早いかも知れませんね。

TapeDelay2.png

これがテープディレイの構造です。テープを一定の速度で走行させ、音声を左の
録音ヘッドに流すと、その音声がテープに記録されます。そのままテープは流れて
行き、複数ある再生ヘッドに到着すると、そこでテープに記録された音声が信号と
して拾われ、原音にミックスされて出力されます。
再生ヘッドの信号をそのまま出力したのではディレイが減衰しなくなってしまう
ので、録音ヘッドから離れるにつれ再生ヘッドの音量は小さくなるように設定
します。
ここでは例として原音100%に対してヘッドごとに25%減衰するように書いて
いますが、どれだけ減衰させるかは多くの機種で任意に設定する事が出来ます。

ディレイタイムはテープの走行スピードか、再生ヘッドの位置を移動させて決定
します。ヘッドの数は機種によって異なりますが、3~5個のものが多いようですね。
ですから、再生ヘッドの数=フィードバックの上限という事になります。

テープ経由のアナログ方式なので、テープの質や状態によって音質が劣化します。
テープや駆動部分の劣化、ワウ・フラッターなどによってテープスピードが僅かに
変動すると、それに応じてディレイのピッチも変わってしまいます。
当然、テープが切れればディレイも鳴らなくなります。

実機はほとんどが1960年代~に作られたビンテージものばかりなので、入手は
難しいのですが、DAW上ではテープディレイをシミュレートしたプラグインが沢山
出ていますから、それらを利用してテープディレイの雰囲気を味わうのもまた
楽しいと思います。



とまぁ、様々なディレイを紹介しました。音質や使い勝手の面ではデジタルが一番
良いのですが、アナログやテープにあるローファイ感も、意外と良いものです。
古いものは入手が難しい機種が多いですが、もしオークションや中古ショップ等で
見かけたら、是非使ってみて下さい。きっと気に入ると思いますよん。




posted by ゆう at 2018年01月07日| Comment(0) | DTM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月23日

中期以降の打ち込み環境。

だいぶ気温も落ち着いて30℃を超える事も少なくなり、集中して打ち込み作業を
するにはもって来いの季節になりました。DTMerの皆様におかれましては、相も
変わらず音符の打ち込みに専念されておられることとお喜び申し上げます。

さて、前回はPC-98とミュージ郎を買った所で以降を端折ってしまいましたので、
その続きを書いてみようかと思います。
余り思い出に浸るのは良くない事だとは思っていますが、何せメインのDTMで
今のところ特に書く記事がないので…(・ε・)



ミュージ郎と言えばRolandが販売していたDTMパッケージですが、ミュージ郎
300の内容物は
1.GS音源 CM-300
2.MIDI I/F MPU-PC98II
3.シーケンスソフト(DynaWare Balladを改変したもの)
4.取説・ケーブル類
5.CM-300用ACアダプタ

となっています。PCがあればこのパッケージを買うだけで、すぐDTMが始めら
れるという物ですね。

MPU-PC98IIをPC-98裏面のCバススロットにズコッと差し込んで、ドライバやら
何やらの設定をCONFIG.SYSに書き込み、配線をして起動します。
DTM01.jpg
PC98DX + MPU + CM-300

このシーケンスソフトはパレットの中から音符を拾い、五線譜に貼り付けて行く
形で入力しますが、慣れるまでには苦労しますね。わずかでもマウスがズレると
違う音が入力されてしまいます。
外部キーボードから直接鍵盤で音程を指定して入力も出来ますが、自分はひた
すら貼り付けて行く形で使っていました。

ちなみにミュージ郎300で初めて打ち込んだのは、After Burner(笑)。


しばらくはこの状態で使っていたのですが、色々と不便に感じて来て…
1.メルコ(現Buffalo)の4MB増設RAMボード(2MBをEMS、2MBをRAMディスク)
2.I・O DATAの3.5"×2 外付けFDD(98DX本体は5"FDDモデル)
3.緑電子の50MB SCSI HDD(50GBじゃないすよ、MBっすよ)
4.メルコのCPUアクセラレータ(80286→80486SX相当だったかな?)

とPCをいじり始めてしまい、しばらく新しい楽器を買わなくなります。

PC-9801DXは発売当時、DA/DS/DXの3機種のうちの最も低スぺな機種だった
ので、パワーアップさせるのが楽しくなってしまいました。
また、PC-98シリーズでFM3音+PSG3音が鳴らせる、いわゆる26音源を搭載
した初機種だった為、音楽聴きたさでゲームに没頭していた頃でもあります。
ゲームのサントラCDをほぼ毎日のように買ってましたね。



やがてゲームに飽きたのと、デカいデスクトップPCに嫌気がさし、ある日突然PCの
セットを丸々一式売り飛ばしてしまいます。本体も含めると最終的には100万近く
かかっていたので、それなりの値段で売れました(笑)。

そして代わりに買ったのが、当時発売直後だったPC-9821Lt/540Aという
Windows3.1のノートPC。i486DX2 50MHz TFT液晶で540MBのHDD。
購入後しばらくしてメモリの価格がこなれて来た頃に、メルコの32MB増設RAMを
載せました。

以降、PCの買い替え数回に1回はノートPC欲しい病を発症するように。


MPUは98DXに付けたまま売ってしまったし、ノートにはCバスがないので、当然
DTMは出来なくなる訳ですよ。
この頃、PCの雑誌か何かで「RS-232C端子でDTMが出来る」という記事を読み、
ダッシュで買いに行ったのがあの伝説の(?)、COME ON MUSIC レコンポーザ
Ver2.5 RS-232C MIDI I/F MA01付きのパッケージです。5万くらいだったかな。

しばらくは9821Lt+MA01+CM-300という環境でDTMをやっていたのですが、
発売直後のSC-88ProをRolandから戴いたのがきっかけで、またDTMにかじり
付くようになります。

DTM02.jpg
PC-9821Lt + MA01 + SC-88Pro

この頃のPCは基本スタンドアロンだったので、DTM以外でやる事と言えばゲーム
くらいでしょうか。プリンセス・メーカーはかなりやり込んだ記憶が。



そうこうしている間ににわかにインターネッツ界隈が騒がれるようになり、自分も
インターネッツ()でネットサーフィン()したい!と買ったのが、某総鉄屑()の
M-770だったかな?Slot-Aの700MHz Athlonが載ったWindows98SE搭載
モデルだったような。

回線は当然56kbpsモデムなので、テレホタイムになったら即ピーヒョロロ~ですよ。
でもM-770ではDTMはやらなかったですね。ほぼインターネッツ専用PC。
DTMは相変わらず9821Ltでやっていました。
PCIバス用やUSB用のMIDI I/Fは当時も探せばあったかも知れないんですが、
ノートの方がダラダラ寝転がって入力したり出来ましたから(笑)。

このM-770、使い始めて1年半あたりから頻繁にビデオカードを見失うトラブルが
起こるようになり、電源ポチした時に「ピーーーーー ピッピッ」と鳴ったら
「あぁ、またか…」と筐体を開けてビデオカードを挿し直ししていましたね~。



やがてそれも面倒臭くなり、SONYのVAIO(PCV-RX52 WindowsMeモデル)を
買ったものの、これまた当時騒がれていた「自作PC」なるものにも手を出します。
初めて作ったのが、
M/B:GIGABYTE GA-7VT600 1394
CPU:Athlon 1GHz (Thunderbird)
MEM:512MB Memory
HDD:30GB
OS:Windows2000
だったような。以降、CPUをAthlon XPに載せ替えたり、メモリ増設、HDD増設など
あれこれやりつつUSB-MIDI I/FのUM-1を購入した事で、このPCがDTMのメインと
なります。
サウンドカードにSound Blasterを導入したので、Soundfontが使えるようになった
のもこの頃ですね。

これ以降も当然M/BやCPU、メモリやHDDの載せ替えに伴ってOSも2000→XP→
7と移り変わり最近まで使っていたのですが、こちらの記事の一番下にあるFM音源
版の製作が終わった所でシステムのHDDがクラッシュ。

長く使っていたせいで環境がもの凄く自分好みに整えられていた為、どうにもすぐに
再セットアップして使う気になれず、結局市販のBTOノートPCを購入しました。
これ以降は最近の過去記事に書いたような流れですね。



…とまぁ、えらく長くなりましたが自分のDTM環境の移り変わり的なものを書いて
みました。

ちなみにDTMに関わる部分しか書いていません。DTMは狭義にはハードウェアの
シーケンサを使ったシステムは含まれず、あくまでPCを使った打ち込み環境の事を
指すようなので、初期の頃以外はハードウェアの楽器については触れていませんが、
この間にもポツリポツリ音源やらシンセやら、エフェクタやらは買っております。
今はもう手放してしまった物も多く、挙げるの大変なんで割愛しますが、ざっと
挙げると…

YAMAHA:RY20,RY30,DTX,MU50,SY77など
Roland:W-30SC,V-Synth,E-215(GEQ),SC-55mkII,D-50など
KORG:Triton,M1,01/Wなど
CASIO:FZ-1,VZ-1
AKAI:S01,ME80Pなど
辺りが良く使った楽器類ですかね~。当時はサンプリングに物凄く興味があったのと、
今ほどアナログ原点回帰の色は濃くない時代だったので、PCMシンセが主流でしたね。
やっぱり今も昔もRolandの音が一番好みかな。

誰かV-Drumください。代わりにDTX(中古)差し上げます(笑)。



一体この記事、誰得なんだ?としか思えない内容ですが、何か記事を書いて義務感を
感じていないと本格的にブログを放置しそうなので、勢いで書いてみただけです。

あ、DTMもまた頑張る予定です(ง •̀_•́)ง



posted by ゆう at 2017年09月23日| Comment(0) | DTM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月22日

初期の頃の打ち込み環境。

打ち込み作業は今でこそPC中心で行っていますが、その昔はシーケンサも音源も
エフェクタも当然全てハードウェアでした。昔はPCも非力でしたからね~。
自分もそんな時代をン十年前に過ごして来ましたが、当時どんなシステムを組んで
いたかを何となく思い出し、図にしてみました。

システムなんて呼べるほど大層なものじゃありませんけど…。

SystemInEarlyDays.gif
当時のシステム図

学生で高級なシンセが買えなかったので、主力はやはりこのブログでもこれまで
たびたび出ているカシオのキーボードです。
QX5FDはMIDI 1~16chまで使えますが、トラック数は8Tr.しかありません。しかし
MT-750が1~4chしか受信出来ないので、これで十分でしたね。


リズムプログラマRX8のMIDI OUTをMT-640のMIDI INに繋ぐという不思議な事を
やっていますが、これは簡易の2ndシーケンサとしてMT-640を鳴らす為です。

RX8は各楽器ごとにノート#を指定出来、パターン内で鳴らすとそのノート#でノート
ONを出力します(ゲートタイムはごく短時間で変更不可)。
なので、MT-640の鳴らしたい音程を指定しておいて、RX8側でその楽器の音量を
0に設定しておくと、ノートONだけが出力されてRX8のパターンの中でMT-640を
鳴らす事が出来るのです。
ゲートタイムが変更出来ないので、パーカッションやマリンバ系などの短い音しか
鳴らせませんけどね(笑)。


EME-1・EMR-1は元々、ヤマハのデジタルピアノ「クラビノーバ」の上に載せて使う
追加システムの一部ですが、当時安売りされていたので入手したものです。
EME-1がデジタル・リバーブ、EMR-1がPCMのリズムマシンですが、EMR-1は
MIDIで鳴らす事も出来たので、RX8の補助として使っていました。
当時はMIDIパッチベイを使っていなかったので、EMR-1を使いたい時は物理的に
MIDIケーブルを挿し替えます。

このEMxシリーズはEME-1・EMR-1の他に、FM音源(確か2op)のEMT-1、
QD(クイックディスク)でデータ保存が出来るEMQ-1というシーケンサも出ていたと
思います。
それまでリバーブなしで使っていたのですが、初めてEME-1を導入して残響を付けた
時は鳥肌が立ちましたねぇ。深さ以外は設定出来ずHPFもないので、当時はキックも
ベースもガンガン響いてましたが(笑)、それでもリバーブ無しとは雲泥の差だったので
気に入っていました。



最初は当然シーケンサもリズムプログラマもなくMT-750/640だけだったので、出来る
事と言えば双方をMIDIで繋いで鳴らすくらいだったのですが、これでMIDIの面白さを
知ってしまい、必死でアルバイトしてQX5FDとRX8を購入。
ここが自分のDTM(厳密にはDTMじゃないけど)の原点でしょうか。


RX8はメモリ容量に限りがあるので、メモリを使い切ってしまうともう入力出来なく
なってしまいます。
なので、1曲分の打ち込みが終わったら、そのデータをバルクダンプとしてQX5FDに
SysExで送り、RX8用ディスクに保存します。この時はケーブルの繋ぎ替えが必要。
演奏する時はまずRX8用ディスクから目的のデータを読み出し、再生させます。
するとMIDIデータがMT-750をスルーしてRX8に届き、RX8は自動的にバルクデー
タの受信に移行。
バルクデータの送信が終わったら演奏データの入っているディスクに入れ替えて、
目的の曲データをロード。再生させるとMT-750が演奏されながら、RX8が同期して
演奏するようになっていました。



高価なシンセならこんな面倒な事せずとも一元管理が出来るのでしょうけど、この
ようなシステムなので、とにかく1音でも音数を増やす為に、常に工夫が必要でした。
4chのミキサーを使っていますが、これも実は自作のパッシブミキサーで、中身は
単に4つの入力をL/R別に強引にひとつにまとめただけのなんちゃってミキサーです。
なので入力ごとのレベル調整なんてある訳がなく、各楽器の音量つまみでバランスを
取るしかありません。
しかも各楽器が並列に繋がる形になっているので、楽器をひとつ繋ぐごとに全体の
インピーダンスが小さくなり、音量レベルが下がって行ってしまいます(笑)。

まぁでもこの頃はこうやって工夫しながらシステムを組んで打ち込んで行くのは
楽しかったですねぇ。
ちなみに部屋の照明を消すと、各楽器のLEDやディスプレイが無数に点灯している
ので、家族には良く「歌舞伎町みたい」と言われました。



その後、NEC PC-9801DX2とミュージ郎300を購入し、ミニ鍵でベロシティに非対応
なMT-750では不足に思いYAMAHA PSR-500を購入、SC-55mkIIなどのGS/GM
音源を買い漁り、経済的な余裕が出来てからは数台シンセも買いましたが、PCの
DTM環境が良くなって来てからは特定のハードしか使わなくなり、徐々に規模を縮小
しました。

それでもやっぱり、ハードウェアの楽器って良いですよね。いつまで経っても劣化しない
ソフト音源と違って、アナログ回路の劣化も味のひとつになりますし。

個人的にはやはりポータブル・キーボードに思い入れがあるので、ヤフオクなどでつい
昔のカシオトーンやポータトーンなどを漁ってしまいますね。

昔すごく欲しかったけど結局買えなかったカシオのDM-100というキーボード、ずっと
探しているけど見つかりません。お持ちの方、誰か譲ってください(笑)。

CASIO_DM100.jpg
WANTED:CASIO DM-100 Keyboard


posted by ゆう at 2017年09月22日| Comment(0) | DTM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

MIDI I/F ドライバのインストール

新PCのWindows10に移行してから、MIDI I/Fドライバのインストールに難儀して
おります…。自分が使っているのはRolandのUSB-MIDI I/F UM-1です。このI/Fは
発売が2000年前後とかなり古いのですが、自分のDTM環境ではMIDI IN/OUTが
それぞれ1ポートあれば事足りる(SC-88Proをシングルモードでしか使わない)ので、
これで十分なのです。

Roland_UM-1.jpg
Roland USB-MIDI I/F UM-1

しかしネット上で色々な情報を見て回り、試せるものは試してみましたが、一向に
ドライバのインストールに成功しません。前々回の記事でも書いたように、UM-1の
ドライバはWindows8.1までしか提供されておらず、当然ながらこのドライバでは
拒否されてしまいます。
.INFファイルを書き換える事で無署名のドライバとして強引にインストールするという
方法をこちらのサイトさんが詳しく解説してくださっているので、とりあえずこれに従い
インストールしてみる事に。

.INFファイルの書き換えは難なく終えたのだけど…。

○「Windowsボタン」>「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>
「セキュリティとメンテナンス」>「Windows SmartScreen 設定の変更」>
『何もしない (Windows SmartScreen を無効にする)(O)』を選択し「OK」


UM1DriverInst1.png

先生そんな項目ありません!

まぁ無いものは無いし、取り敢えずそのままやっちゃえ!とインストール作業を進めて
みると、普通にインストールされUM-1のLEDが点灯して、認識されている事を教えて
くれています。やったね!

…と思ったのも束の間、その直後「ドライバに署名がねーよ!」と言われて無効にされて
しまいます。やっぱダメか。



とにかくこの SmartScreen なるものを切らないとダメっぽいので、Windowsの中を
片っ端から探す。システムに関わりそうな所を開いてとにかく探していると…。

UM1DriverInst2.png

あったお。どうやら SmartScreen は Windows Defender に機能統合されたらしく
ここから設定を変更するようになったっぽい。
アプリとファイル、Microsoft Edge、ストアアプリの3項目があるけど、とにかく全項目
OFFっときゃ大丈夫だろ、と全てオフを選択してから、同じ手順でもう一度ドライバの
インストール。
前回同様、ドライバがインストールされUM-1のLEDが点灯。UM-1のプロパティを開くと
「このデバイスは正常に動作しています」の文字。

よっしゃ!(งดี౪ดี)ง



やっと入ったよ~!と思いながら SmartScreen のオフった項目を元に戻して再起動を
かけたら…。

UM1DriverFail.png

ゴフッ _(꒪ཀ꒪」∠)_



更に良く調べてみると、どうもセキュアブートが有効になっているとダメっぽくて、
それを無効にするにはUEFIから設定しないといけないらしいです。

で、ここに有志が作った UM-1用ドライバ For Windows10 64bit がありますが、

●原則としてWindows7用ドライバを使用することでWindows10でも動作
します。ただし、Windows7以降のドライバを使用する場合、Inf記述の問題
からInfファイルを書き換えてドライバ認証の強制をOFFにしなければ
インストールが出来ないようです。

やっている事は同じっぽいですね。



正直な所、最近のPCにはホント疎くなってしまったので、UEFIとは何ぞや?という
レベルに居るのと、旧PCのデータを全て新PCに退避させている状態なため、下手に
いじって起動しなくなるともう目も当てられない。これ以上の深追いはやめました。

まぁ、このPCでUM-1が使えたらいいなぁ~程度の気持ちでやっている事なので、
諦めも早いです(笑)。MIDIマッパーの問題もありますしね。

旧PCについては暇を見てOS入れ直しからWindows Update、サウンドカードの
ドライバインストールまでは済ませてあるので、あとはUM-1ドライバとレコンポーザを
インストールして、シーケンスファイルとSoundfontを新PCから書き戻せばDTM
環境の再構築も完了です。

やはり新PCには、Windows10対応のMIDI I/Fを用意しないとですね。サウンド
機能も貧弱なので、いっそオーディオI/Fも揃えた方が良いのかも。。。



posted by ゆう at 2017年07月20日| Comment(0) | DTM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月28日

Multi Track Recording

"8 Bit Keys" Intro Music Arranged On CASIO MT-750 Keyboard


先日アップしたこの楽曲について、ちょっと色々書いてみようかと思います。

この曲は動画の説明欄にも書いた通り、David Murray氏のYouTubeチャンネル
【8-Bit Keys】で作成された動画のオープニング曲です(その後は他の有志によって
Remix版が作られ、そちらをOP曲に使っておられるようですが…)。
作成の様子は、以下の動画をご覧ください。

Creating the Intro music on a Yamaha PSS470


8-Bit Keys は80年代のポータブル・キーボードをメインに扱っており、演奏や
リペアの様子などが観られます。当時のキーボードが好きな方にはおすすめの
チャンネルです。

原曲は全て手弾きしたものの多重録音で、ごく簡単なパートのみ演奏されています。
このチープな感じもまた良いのですが、80年代のキーボードメインならMT-750も
89年発売でギリギリ含まれるだろうし、MT-750でちょっとアレンジしてみますか、と
思ったのが発端です。
その割には、Remix版の方にもだいぶ影響されていますけど(笑)。



まずは、何となく頭の中でモヤモヤッとしているアレンジの形に合わせて楽器を選び、
それをシーケンサのトラックに入れて行きます。
Melody
Melody Sub L
Melody Sub R
Synth Bass
Bells
Sequence 1
Synth Strings
Sequence 2
Voice
Square Wave
Drums,Synth Toms,Hand Clap

合計11パートで構成されていますが、原曲の中でもメインテーマと呼べる部分が
ひとつしかないので、ほとんどのパートは同じ事を繰り返しています。

次にコード進行。原曲ではC,D,Emの3つしか出て来ませんが、これではいささか
寂しいので、CM7(C,E,G,B),D6(D,F#,A,B),Em7(D,E,G,B)としています。
3つのコードの中で常に B が鳴っている形です。原曲からコードをちょっと変えたい
な~、と思った時に自分が良くやるパターンです(笑)。
それと、コード3つでは飽きるので、ちょっと寄り道でC,Am7を繰り返したあとB7へ
行き、主題のEm7へ戻るようにしています(途中で一度だけG,Aも出て来ますが)。

あとはひたすら打ち込んで行くだけなのですが、以前の記事に書いた通りMT-750は
最大同時発音数12音、受信可能なMIDI Chが1~4chしかないので、普通にパート
を次々打ち込んで行くと、シンセ・ベースより先のパートが鳴らせません。
元より全体をマルチ・レコーディングして行く予定なので、まずは88Proを使って完成
させてしまいます。

MT-750はベロシティ非対応、受信可能なCC#も64:Damperしかありませんので、
凝った事は出来ません。ひたすら全てのパートをベロシティ127のベタ打ちで入力
して行きます。
バランスもどうせ全パート取り終えた段階でしか確認出来ないので、この段階では
細かい事は気にせずどんどん入力して行くだけです。



打ち込みが終わったら、いよいよ音源を88ProからMT-750に切り替えて録音です。

1パートずつ録音して行くので、無料で高機能な波形編集ソフト、Audacity を使い
ます。

audacityteam.org

Audacity、以前にも使っていた事があったのですが、使用中にいきなりPCが再起動
した事があって、それ以来ちょっと怖くて敬遠していました。今回のマルチ録音では
必要なので再導入。。。

MT-750はMIDI使用時に2つのモードがあり、以下のようになっています。
MODE A: Ch.1でのみ送受信(最大同時発音数12)
MODE B: Ch.1~4でMIDIを受信する

MODE Bは他のMIDI chも鳴る分、Ch.1の同時発音数が6音に制限されてしまうので
もったいないです。
そこで、シーケンサ側で録音したいパートのMIDI送信Chを 1 にして、MT側では常に
1chのみ受信するMODE Aで鳴らします。こうすると、最大同時発音数12音をフルに
活かせます。
前の時はこのモード設定をBでやってしまった為に、シンバルの余韻が途中で切れる
などしていました。発音数12音あれば2ボイスの音色でも6音鳴るので、音が切れる
事はそうそう無いでしょう。



とまぁ1パートずつチマチマと録音しては、演奏タイミングをAudacity上で合わせて
行く訳ですが、全パート録り終えた所で一度Audacityがクラッシュ。エラーも何も
出ずいきなりウィンドウが閉じる始末。プロジェクト自体はこまめに保存していたので
失われたデータはなかったものの、やっぱり何となく不安定なんですよね…。
それと、4分×11パートもあるので録っている間がとても暇です(笑)。

とにかく全パートを録り終わったら音量バランスとパンを設定して、リバーブ等を
かけようかと思ったのですが、何か聴いてみたらこのまま行けるんじゃないかという
気がして、エフェクタなしで行く事に決定。元々の音色に設定されているリリースが
長めなので、あまり違和感ないですね。

ちなみにSynth Stringsのパートがフワフワしていて、またサイドチェイン的な事を
やっていますが、これは音色選びの段階でたまたまストリングスが演奏にしっくり
来たので使ったというだけの事です。



今では1台の音源で全てを賄えますが、昔の性能が低い音源だと1曲仕上げるのに
凄く時間と手間がかかりますね。それでも録音はPCで行ったのでまだ楽な方ですが、
これがもしテープ媒体のMTRだったらより手間がかかります。
製作時間は、シーケンスデータの作成に3時間ほど、全Tr.の録音に1時間半ほど
かかりました。Square Waveがペッポッパッポと鳴る部分、元々は何かソロを入れよう
と思って幾つかのパターンを手弾きで演奏してみたものの、何となく曲調に合わないん
ですよね…。なので簡単なシーケンスパターンに留めました。
一応、自分なりの"8 Bit"表現です(笑)。

おまけで、88Pro Ver.も置いておきますね。。。当たり前だけどやっぱり88Proの
方が音が良いし低音出ててかっこいい。
動画のMT Ver.よりリピート1回削っています。それとフィルタやEGを全く変更して
いないプリセットそのまんまで演奏させています。

"8 Bit Keys" Intro Music Arranged On SC-88Pro


2017/07/10 追記
4op FM音源版も置いておきますね。。。ドラムはPCMです。
"8 Bit Keys" Intro Music Arranged On FM




posted by ゆう at 2017年06月28日| Comment(0) | DTM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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