2026年05月08日

TL494で作る12V→100Vインバータ

今回は、PWM制御 IC TL494CN を使ってDC 12V→AC 100V に昇圧する、
簡単なインバータ回路を作ってみるだけの記事です。

以前自作のベンチ電源が壊れた時に補修用として買ったものの、原因が他に
あって結局使わなかった TL494CN をちょっと使ってみたかっただけ。


TL494_100VInv_01.png

回路図はこのような感じ。このICはエラーアンプやデッドタイム制御などの
様々な機能が付いていますが、それらの一切合切を無視して本当に基本的な
部分だけを使っています。


TL494_100VInv_02.jpg

ブレッドボードにサクッと組み上げたら、まずIC単体で動かし半固定抵抗で
発振周波数を設定します。今回は東日本用の50Hzにしました。

トランスを駆動するMOSFETの G とICのBJT出力エミッタ側とを接続して、
実際にインバータとして動かしてみます。

TL494_100VInv_03.jpg

トランスの二次側(本来AC 100Vの入力側)に、AC 56.6Vが出力されました。
正常に動いていますね。

今回はトランス二次側の負荷がDMMだけなので細い配線で繋いでいますが、
実際に家電品などを動かすのであれば、相応の太さの配線が必要です。
また、一次側が12Vだと少なくとも8.3倍になるので、電流もバカみたいに
流れます。二次側の負荷が100Wだったら、一次側は8A以上流れる事になる
ので、電源も強固なもの(場合によっては自動車用バッテリなど)が必要。
また、トランス自体も負荷に応じて大きなものを使わなければなりません。


おいおい、ちょっと待てと。100Vインバータとか言いながら、半分しか出て
ねーじゃねぇかと。はい、ごもっともです。

これはトランスの問題ですね。手元に 12V-0V-12V のトランスがなかった為、
21.45V-0V-21.45V のトランスを使っています。一次側の電圧が足りない為
二次側にじゅうぶんな電圧が出て来ていません。


TL494_100VInv_05.jpg

はいAC 100V出ました。この時、一次側を駆動している電圧は 33.4V です。
ここまで上げてようやく二次側がAC 100Vになりました。電流はDMM負荷で
500mA位。

効率悪っる!🤣


ちなみに TL494CN はデューティ比を0%~100%に変える事も可能なので、
回路を少し改変してデューティ比も可変出来るようにしてみました。

TL494_100VInv_04.png

こうなります。3.3Vレギュレータを半固定抵抗で分圧し、NCとなっていた
3ピン:FeedBack に入れています。この半固定抵抗でデューティ比を調整。

…してみたのですが、50%以下だと平均的な電圧が下がって行くし、50%
以上だと一次側コイルがONしている時間がオーバーラップしてしまうので、
やはり電圧が下がって行ってしまいます。

元々の回路のまま(デューティ比ほぼ50%)が最も効率良く動作する模様で、
上げても56%までですね。


それと、この回路は単純に2つのMOSFETを50Hzで交互にONしているだけ
です。二次側に出力される波形も正弦波ではないので、つないでも動かない
機器は多いと思います。まぁ照明とかモータを使った機器とか、その程度。
効率も悪いですしね…。

でも、少ない部品点数で簡単にインバータが構成できるので、ちょっとした
用途なら結構役に立つかも知れません。



posted by ゆう at 2026年05月08日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月29日

容量球って結局なに?

そろそろ4月も終わりますな~。DTMerの皆さまにおかれましては、端午の
全裸DTMが捗っておられる事とお慶び申し上げます。


このところずっと SSTC (Solid State Tesla Coil) をいじっているのですが
謎の多いこの装置、なかなか満足の行く動作が得られません。
その謎のひとつに、てっぺんに付ける「容量球 (トロイド)」というものが
あります。大地との間のコンデンサらしく大きさで共振周波数が調整出来る
との事。

TeslaCoilToroid_01.png

メトロイドなら知ってるんですが…今回はそれらしいものを付けてみただけ
の記事です。


ネットで自作テスラコイルを色々見てみると、100円ショプーで売られている
ステンレスのボウルを2つ組み合わせたもの、排気用アルミダクトを円形に
したもの、銅棒やアルミ棒などをカゴ状に組み上げたものなど様々。
サイズも小さいものから巨大なものまで様々。

これは適切なサイズを求める公式的なものがあるんでしょうかね。それとも
みんなそれっぽい物を適当に付けているだけなのか…。


TeslaCoilToroid_02.jpg

良く分からんけど「有った方がよさそう」という非常にざっくりした理由で、
家にあった端材を組み合わせてそれっぽいものを作ってみました。
土台の亜鉛鋼板に水道用フレキパイプをぐるっと一周巻き付けて、いつもの
ブラインドリベットを真ん中に突き立てただけ。

テスラコイルの土台底面にも同じ亜鉛鋼板をべたっと貼り付けてあるので、
これで浮遊容量が生み出せないものか。


TeslaCoilToroid_03.jpg

はい、以前と全く変わりませんでした。

ですよねー…。MOSFETが飛ばないようにずっと12V電源で動かしています
が、根本的に電源電圧が低いのかも知れない。巨大な放電を生み出すような
大掛かりなテスラコイルだと、家庭のAC電源を整流して直接MOSFETへと
流し込んでいる物もあるようなので。


TeslaCoilToroid_04.jpg

このくらいあった方が良いのかも知れない。なかなか連日実験をする訳にも
行かず時間を見て少しずついじっていますが、今後も引き続き模索してみる
予定~。

それにしても容量球がデカいと不格好だなー。



posted by ゆう at 2026年04月29日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月25日

ハミルトンの風車

先日からSSTCをいじっておりますが、前回失敗したヤジロベーがクルクル
回るやつに再チャレンジしてみただけの記事です。


SSTCHamiltonWindmill_01.jpg

新たに製作した大き目二次側コイルはどうも出力が弱いようなので、これは
とりあえず置いておきます。555を使った可変周波数回路でまだ試してなく、
以前作ったSSTC回路で動かしてみただけなので。

これはそのうち試してみます。今回は元の小さなコイルで実験。


SSTCHamiltonWindmill_02.jpg

以前のSSTC回路は空中配線だったので、基板を使い配線し直し。回路自体は
変わっていません。

あ、電源Vccと回路の間にダイオード IDH10SG60C を入れました。どうも
発生する高圧が逆流するようで、電源を切ろうとうっかりワニ口クリップに
触れると針で刺したような痛みが走り、指が焦げます。
その感電・やけど防止用ですね。ピーク繰り返し逆電圧 VRRM 600V品です。

SSTCHamiltonWindmill_05.png

回路図はこうなりました。指が焦げるほどの電圧なのにコンデンサの耐圧が
250Vなのが気になるな…。多分このコンデンサは無くても動くと思われ。


SSTCHamiltonWindmill_03.jpg

上に乗せるヤジロベーは大小2つ作ってみましたが、どうもこのSSTCでは
大きい方を動かすにはパワーが足りないみたいです。

それと、前回上手く回らなかったのはヤジロベーの本質を理解しておらず、
支点と重心の位置がほぼ同じだったせいです。ヤジロベーって、支点よりも
重心の位置が低くないと上手く立たないんですね~。

両腕の先端位置を下げたら立つようになりました。


SSTCHamiltonWindmill_04.jpg

センターポンチで凹みを付けた薄い鉄板に高圧の出力を繋ぎ、コイル上端に
貼付け。鉄板は尖った所から不要な放電が起こらないよう、周囲をヤスリで
滑らかにしておく必要があります。
そこへヤジロベー(小)を乗せたら結構な速度で回ってくれました。

これこれ。これが見たかったんですよね。電子が放出される反動で、風車が
回転します。この原理を「ハミルトンの風車」と言うんだとか。

動画でもどうぞ(31秒 音声なし)。17秒辺りで照明を消し、暗くしています。


軽快に回ってくれていますね。しかしあまりにもノイズを巻き散らしている
ので、部屋の置き物には適さないかな。

次は新コイル(大)でも色々試してみる予定~。



posted by ゆう at 2026年04月25日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月19日

SSTC用の新コイルが巻けました

今回は、以前から作っているSSTC用の新しいコイルが巻けたので、それを
紹介するだけの記事です。


前回適当に注文した塩ビパイプ VU75が想像以上に太くて絶望してしまった
ので、外径Φ60mmのVU50で注文し直しそれがようやく届きました。

NewSSTCoil_01.jpg

外径Φ76mmのVU65と注文直前まで悩みましたが、VU50で正解だったよう
です。この径でちょうど良いかも。

NewSSTCoil_02.jpg

VU75とVU50を比べるとこんなに違う。ちなみにヨドバスィは未開封でないと
返品を受け付けないそうなので、これは今後また何かに使う為にとって置き
ます。実は今回のVU50も2本セットでしか売っておらず、同じ物がもう1本
あるんですけどね…。¥560でした。


では三度の苦行、予め用意しておいた線材をただひたすら黙々と巻いて行く
だけの簡単なお仕事の時間です。

しかし線径Φ0.3mmやΦ0.4mmは楽ですね~。初回はΦ0.1mm、2回目
Φ0.2mmと極細だったので、巻いている途中で切れてしまったり気が付くと
一部分が重なったりしていましたが、Φ0.3mmなら多少力を入れた程度では
切れないので、少し引っ張りながら巻けば重なる事もなく気が楽です。

「コイル巻き機」で検索すると人力から電動、マイコン制御まで色々と出て
来ますが、基本的にこれらのほとんどはリレーやソレノイドなどに見られる
ような、重ね巻き用です。テスラコイル用コイルは基本的に重ね巻き厳禁の
単層巻きでなければなりません。
なので、こういったコイル巻き機は使えないんですね。旋盤を使って巻けば
楽できるんでしょうが、基本は1ターンずつ手巻きです。

お陰で今回も 3時間半 かかりましたけどね…。


NewSSTCoil_03.jpg

という訳で完成デデン。全長418mmで、すごく…大きいです…。まぁ世界の
SSTCマニアな人から見れば、こんなのまだ小さい方でしょうけど。

NewSSTCoil_04.jpg

全長500mのうち480mmは巻きたかったけど、線材が尽きたので仕方なく
余りはカット。

NewSSTCoil_07.jpg

巻き幅418mmをΦ0.3mmで250mm、Φ0.4mmで168mm巻きました。

巻き幅は前回の2.78倍、直流抵抗は0.67倍、インダクタンスは2.2倍です。
巻き数と長さをざっくり計算すると…。

NewSSTCoil_05.jpg

Φ0.3mmは10mmで26巻なので、26x25=650巻。

NewSSTCoil_06.jpg

Φ0.4mmは10mmで17巻なので、17x16.8=285巻。

Φ60mm×3.14159265=188.495559 で塩ビパイプの円周は約188.5mm。

188.5x650=122,525mm=122.525m。
188.5x285=53722.5mm=53.7225m。
122.525+53.7225=176.2475m。

後から更にΦ0.3mmを44m追加したので、準備段階で測った長さで合ってた。

正直、もうやりたくない。


で、この途中から巻き線の太さが変わるのが良いのか悪いのかって話になる
と、微妙な話。一次側に近い方をΦ0.4にすれば損失が減るのだけど、共振
周波数が変わるので、もしかしたらかなり効率に影響するかも。

これは実際にテスラコイルとして駆動してみないと分かりませんね。途中で
線径を変えず同じ径で巻くのが最も効率良いんでしょうが。

ただ巻いている間も思ったのですが、これまで小さいコイルでコロナ放電を
起こして喜んでいた程度なので、果たしてこのコイルでどれ程の高圧が発生
するのか考えると躊躇しますね…。せっかく作ったんで使わなければ意味が
ない事は分かるのですが、やっぱり高電圧の実験は怖いです。

次回、このコイルでSSTCを作ってみる予定~。


★おまけ

NewSSTCoil_08.jpg

YouTubeなどで良くみかけるSSTCでヤジロベーのような針金がクルクル回る
やつをやってみたかったんですが、まずバランス良く立たせるのが無理。

インチキして中心部分にボールベアリングを置いてみたのですが、それでも
全く微塵も回りませんでした。残念。



posted by ゆう at 2026年04月19日| Comment(3) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年04月17日

ACライン用EMCフィルタを作る

今回は、部品の到着待ちまでの間にもうひとつ作業をしただけの記事です。


最近またSSTCいじりを始めたのですが、高圧の放電回路というのはかなり
ノイズを撒き散らします。PCで動画を流しながら放電させて遊んでいると、
イヤホンに「シャー」「ザー」という感じのノイズが乗って来ますね。

放電で遊ぶ時はなるべくPCが起動していない時を狙っていますが、出来る
だけPC以外へのノイズも減らしたいので、今回はAC側のノイズフィルタを
作ろうと思います。

ノイズは発生元から空気中を飛んで行く放射ノイズと、電灯線へと回り込む
伝導ノイズがありますが、今回のフィルタは伝導ノイズを減衰させるもの。
とは言えノイズ界隈というのは理論が非常に難しく、またノイズの出ている
量や減衰量などは、超高価な計測機器でないと厳密には測れないので、例に
よって「多分こんな感じで良いだろう」的な物を目指します。


何も資料がない状態では作れないので先人の知恵、TDK Lambda(ラムダ)製
EMCフィルタを参考に似たようなものを作りましょうかね。

TDK_RSEN-2010.jpg

これがTDK Lambda製EMCフィルタ、RSEN-2010

詳しい仕様はリンク先のデータを見て頂くとして、天下のTDK設計の物なら
効果は期待できるでしょう。


EMCFilter_01.png

回路図はこんな感じ。2MΩの抵抗が手持ちになかったので、1MΩを2本
直列にしています。

コンデンサは必ずXコン、Yコンを使用する必要があります。今回は0.47uF
にX2コン、4,700pFにY1コンを使用。
Xコン・Yコンに関する詳しい解説は XコンYコン などが参考になります。

Y1Cap.jpg

X2Cap.jpg

どちらもコンデンサに表記されています。


EMCFilter_02.jpg

一応右側がIN、左側がOUTになっていますが、ぶっちゃけどっちがどっち
でも構わないようですね。

コモンモード・チョークコイル(CMCC) は、TDKの物では3.7mHとなって
いるようですが、同じ物が手持ちになかったので8.7mHの物を使用。
ただ、このTDK製EMCフィルタは対象のノイズの質によって変えられるよう
多数種類が出ていて、その中には10mH程度の物もあるので、これくらいの
インダクタンスでも問題ないかと。

多分。

定数的には、一般汎用のRSENシリーズよりもパルス減衰特性のあるRSAN
シリーズ
の方が近いかな。


EMCFilter_03.jpg

IN/OUTにACプラグとタップを付けて完成です。本来Yコンの真ん中を接地
するべきなんでしょうが、うちは建物が古くて接地端子付きのコンセントが
水周りにしかないので、接地端子は今回省略しています。
接地の有無でノイズの減衰率が変わるかどうかは分かりません。


EMCFilter_04.jpg

タップ側に何も繋いでいなくても、コンデンサ類や抵抗によって電力が消費
されているので、IN側は常にわずかな電流が流れています。

実測で32.4mA程度でしょうか。3.24Wかぁ…思ったより消費電力大きいな。
まぁ常時コンセントに挿しっぱなしにする訳ではなく、高圧を使った実験の
時ACアダプタの前に挿入する形で使うので、多少は目をつぶりましょう。

まぁこれを繋いだところで、高圧放電だと放射ノイズの方が支配的なので、
気休め程度にしかならないとは思いますが。何しろ近づいて写真を撮ろうと
しても、アイヒョーンのシャッターが切れなくなる程度にはノイズを撒き散らして
いるので(笑)。


後は注文していた塩ビパイプ(新)が届いたら、苦行のコイル作りですね…。
既に気が重い…。



posted by ゆう at 2026年04月17日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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