2025年01月05日

ヤマハ REX50 のLCDにバックライトを付け…たかった #1

新年明けましておめでとうごじます。昭和100年の本年もDTMerの皆様に
おかれましては、新春全裸DTMが捗っておられる事とお慶び申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


先日ヤマハ REX50 を引っ張り出して使っていたのですが、ディスプレイに
バックライトが無く見づらい…と思ったので、今回はこれにバックライトを
付ける作業をしました。

今回は写真が多いので、サクサク行きましょ。


REX50LCDBkLt_01.jpg

この時代のヤマハ製品で多く使われていた、16桁×2行のディスプレイです。
REX50以外にも、QX5やRX、TXシリーズなどでも良く使われていましたね。
多くはバックライト付きでしたが、このREX50はなぜか付いておらず。
LED 7セグが付いており、暗いステージ等ではそちらが見えるので、LCDは
バックライトいらないよね?という感じなんでしょうか。

REX50LCDBkLt_02.jpg

キャラクタLCDコントローラとしては定番の、 日立 HD44780 を使った物。

REX50LCDBkLt_03.jpg

LCDだけ外しました。このディスプレイはバックライト無しなので、まずは
バックライトを付ける作業から始めます。反射型液晶なので、裏面には反射
シートが貼られています。これを剥がす必要がありますね。

REX50LCDBkLt_04.jpg

見づらい写真で申し訳ないのですが、反射シートと液晶本体のガラスの間に
黒い層が見えます。これは偏光シートで、これを剥がしてしまうと全く何も
文字が見えなくなってしまうので、これを残しつつ表面の反射シートだけを
剥離する必要があります。

REX50LCDBkLt_05.jpg

反射シートだけカドを起こし、偏光シートを一緒に剥がしていない事を確認
してから剥がします。

REX50LCDBkLt_06.jpg

反射シートだけ剥がれました。矢印は液晶上下の覚え書き。

REX50LCDBkLt_07.jpg

反射シート裏にある粘着を除去します。エタノール染み込ませティッシュで
気長にこすっていると、徐々に粘着が溶けて綺麗になって行きます。
余り強く擦ると偏光シートが傷だらけになるので、軽くです。

REX50LCDBkLt_08.jpg

綺麗に粘着が取れました。これで準備完了。


REX50LCDBkLt_09.jpg

液晶と基板のすき間はほぼ2mmです。この間に入るようにバックライトを
構成しなくてはなりません。手持ちで何とかなるかな…。

REX50LCDBkLt_10.jpg

反射シート、導光板、拡散シートA、拡散シートB と重ねます。

REX50LCDBkLt_11.jpg

これらを重ねるとギリギリ2mm。う~ん、入るかな…。ここが厚過ぎると
液晶の導電ゴムがしっかり密着しないので、ドット欠けの原因になります。
とりあえずこれで組んでみましょうか…。

REX50LCDBkLt_12.jpg

横からフラッシュライトで照らした所。バックライトとして問題なく全体が
光っているので、これで大丈夫そう。あとは接触か…。


ここでちょっと余談なのですがこのディスプレイ、ヤフオク等でメンテ済み
製品を見ると、青いバックライトの物に交換された個体を良く見かけます。
ビネガったディスプレイを互換品に交換してあり、その互換品はAliExpress
などで売っているので交換は割と簡単です。

で、似たような製品
LCDキャラクターディスプレイモジュール(16×2行バックライト付)
が秋月電子でも売ってますが、ちょっとした罠があります。

REX50LCDBkLt_13.jpg

このディスプレイ、右上が1ピンとなって下が2ピン、と上下の列が交互に
1→2→3→4...となり、最も左の列は上が13ピン、下が14ピンです。

そして1ピンがGND、2ピンが+5Vとなります。

REX50LCDBkLt_14a.png

REX50 のサービスマニュアルでも、1ピンにVSS、2ピンにVDD表記。

所が、秋月電子で売っているディスプレイは、データシートを見た限りでは
この電源が逆。1ピンが+5V、2ピンがGNDになっています。

REX50LCDBkLt_14b.png

1/2ピン以外は全てREX50のディスプレイと同じピンアサインなのに、電源
だけはなぜか逆なんですね…。なので、これを使えば入れ替えられる!とか
思ってしまうと罠に引っかかります。ご注意を。


さて、続きの作業をしますか…。

REX50LCDBkLt_15.jpg

ディスプレイモジュールにはLEDバックライトを付ける為の空きパターンが
あるので、ここを使って白色LEDを付けましょうか。

REX50LCDBkLt_16.jpg

こんな感じでチップLEDを取り付け。配線が短いので、特にホットボンド等
固定はしていません。

ここは裏にも同じパターンがあってビア(スルーホール)で繋がっているので、
裏面に120Ωのチップ抵抗を付け電源(1/2ピン)に接続しておきました。


REX50LCDBkLt_17.jpg

次にREX50の元のディスプレイを外しますか。スッポンでひたすらハンダを
吸い取り、ドライバで軽くこじりながらハンダを溶かしたりして…。

REX50LCDBkLt_18.jpg

何とか破壊せずに取り外し成功。

REX50LCDBkLt_19.jpg

上がバックライトを付けたモジュール、下が元から付いていたモジュール。
どちらも全く同じ物である事が確認できます。

ちなみにバックライトを付けた方、実はLEDの配線を間違っていたのですが
この時点ではまだ気づいていません(笑)。


バックライトを付けた物に入れ替えて、REX50の電源を入れてみたものの、
なぜか電源が入りません。ディスプレイを外すと入る。

う~ん、なぜなんですだぜ?🤔


REX50LCDBkLt_20.jpg

調べてみると、バックライト用配線の+5V側が、ディスプレイを支えている
金具(GND)と接触している事が判明。仕方ないので金具の基板と当たる所を
ニッパでカットしました。これで大丈夫なはず。

REX50LCDBkLt_21.jpg

ディスプレイをセットしたら今度はバックライトのLEDが光らない。これも
調べてみたら単に+/-を間違えていただけなので修正。

…したのですが、ディスプレイに何も表示されませんね…。

中に仕込んだ導光板が厚過ぎて、導電ゴムが接触していないのか?にしても
文字どころか1ドットも表示されないのは変だな。

写真ではただピンに挿し込んだだけの状態になっていますが、全てのピンを
完全にハンダ付けしても、1ドットも表示されません。このディスプレイは
長いこと部品箱の中にほかってあったので、もしかしたら壊れてるかもな…。

原因が導光板の厚過ぎなら削れば行けそうな気もするけど、厚みを削るのは
なかなか至難の業だなぁ…。均等に削らないとムラになりそうだし。


REX50LCDBkLt_22.jpg

結局、一旦また元のディスプレイに戻しました。ダメだったディスプレイは
そのうち導光板の厚みを何とかして、再挑戦してみる事にします。

長々と書いた割に失敗に終わって腑に落ちませんが、とりあえず今宵はここ
までにしとうございます。
あ、ちなみにしょっぱな「ごじます」と書いているのは文字数合わせの為で、
タイポしている訳ではありません。


という事で改めて、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
今年も皆様に幸多からん事を。



タグ:YAMAHA REX50
posted by ゆう at 2025年01月05日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月20日

CBX-K1 発熱対策とUSB電源化

もう10月も下旬に入ったと言うのに初夏のような気温になっておりますが、
DTMerの皆さまにおかれましてはドキッ!全裸だらけの大DTM大会開催中と
お慶び申し上げます。


最近しばらくの間BandLabで打ち込み作業をやっていましたが、ちょっと
気になる事が。

CbxUsbPsu_01.jpg

打ち込み作業に使っている ヤマハ MIDI キーボード CBX-K1 の赤丸辺りが
ほんのり温かい事に気付きました。
開けて熱源を調べてみると、電源の5Vレギュレータ・78L05 が熱くなって
いるようです。

CbxUsbPsu_02.jpg

消費電流を測ってみると60mA前後。78L05 はMax 100mAなので6割程度
になっているようですが、結構発熱するもんですね~。MIDIステータス用の
LEDや、自作でーびーむを追加しているせいかな。気になるので電源回路を
少し改造しましょうか。

ついでに邪魔なACアダプタを排除できるよう、USB電源化も。


CbxUsbPsu_03.png

という事でこんな回路を作りました。ただの5Vレギュレータ回路です。
レギュレータとUSBで互いに逆流しないように、ダイオードを入れてます。

CbxUsbPsu_04.jpg

で完成。

ショットキ―バリアダイオード(SBD)がやけにオーバースペックな感じです
が、実際60V 40A物なので圧倒的にオーバースペックです(笑)。
でもVFが最小で0.08Vと低いので、これを使用。これ以上VFの低いSBDは
手持ちにありませんでした。


ここでひとつ疑問が。

CbxUsbPsu_05.png

CBX-K1 のサービスマニュアルで回路図の電源周り(赤線)を見ると、なぜか
レギュレータへと入る前の電源が抵抗分圧されて、CPUの23ピンに入って
います。

これ何でじゃろな?とずっと疑問だったのですが、どうやらCPUのアナログ
入力に入れて、電池の消耗度を監視しているみたいですね。


このキーボードは電池使用時、電池が消耗して来るとオクターブのランプが
点滅して教えてくれます。それを監視しているのがこの23ピンみたい。
試しにベンチ電源に繋ぎ12Vからどんどん電源電圧を下げて行くと、8.2Vを
切った辺りでオクターブランプが点滅し始めます。

10kΩと3.3kΩで分圧されていて、電源電圧が8.2Vの時CPUの23ピンは約2V。
つまりこの23ピンの電圧が2Vを切ると、電池が消耗しているとみなされる
ようですね。
電源に使われている78L05はロードロップ品ではないので、出力5Vを正しく
得るには少なくとも出力電圧+3V以上、8V程度の入力が必要です。だから
電源電圧8V辺りで電池切れ警告でLEDが点滅するようになっている模様。

電池切れ警告が出ても通常動作しますが、やはり点滅されると鬱陶しいので
この23ピン用の電圧も作らなくてはなりません。面倒だな…。
なので回路図や実物の写真に抵抗が入っている訳ですね。今回は5Vからこの
電圧を作るので、10kΩと24kΩで分圧して、大体3.5V程度にしています。
これくらいあれば警告は出ないでしょう。


CbxUsbPsu_06.jpg

USBから給電しています。出力は4.93Vで問題なし。

CbxUsbPsu_07.jpg

CPU 23ピン用の電圧は想定通り約3.5V。

CbxUsbPsu_07b.png

CPU HD6473298P10 (H8/329) データシートで電気的特性を確認すると、
アナログ入力は -0.3V to VCC +0.3 になっています。
電源電圧は5Vなので、5.3Vまで許容されるという事ですね。

適当に10kΩくらいの抵抗を通して、5Vと直結してしまっても問題ないとは
思いますが、今回は一応電流制限も兼ねて抵抗分圧で3.5Vかけています。


CbxUsbPsu_08.jpg

ではCBX-K1側にも手を加えて行きます。
黄色丸の78L05と、緑丸の23ピン用分圧抵抗10k/3.3kΩを撤去。

CbxUsbPsu_09.jpg

ケースにUSB Type-Bメス用の穴を開けます。12x11(mm)。

今時USB Type-Bはないだろ…と思ったのですが、意外と現行のプリンタに
まだ使われているんですね。

ちなみにこのUSB端子はあくまで給電のみです。CBX-K1 は元々USB対応の
デバイスではないので、通信は出来ません。

基板を固定したら、撤去したレギュレータとCPU 23ピンへの配線も済ませ
ます。


CbxUsbPsu_10.jpg

ACアダプタを接続してみました。電源電圧は16.84V。
この電圧だと元の回路では、CPU 23ピンは4V程度になります。

CbxUsbPsu_11.jpg

電源回路の出力電圧は4.81V。
SBDが入っているぶん5Vより若干低いですが、動作には支障ありません。

CbxUsbPsu_12.jpg

CPU 23ピンの電圧は3.4V。これもSBDを通った分少し下がっていますね。
でもこの電圧なら電池切れ警告は出ません。


CbxUsbPsu_13.jpg

メイン基板をケースに戻そうとしたら、電源基板とカチ合って入らなくなり
ました(黄色矢印)。仕方がないのでメイン基板を5mmほど切り落とし。
この部分はGNDのベタパターンしかないので問題ありません。

CbxUsbPsu_14.jpg

背面。う~ん、USB端子も右に寄せられれば良かったんですが、ここにしか
付けられませんでした。ちょっと離れているのが気になるけど致し方なし。

ちなみに回路的にUSBでの給電は電源スイッチより後ろになってしまうので、
USBで繋いでいる間はずっと電源入りっぱなしになってしまいますが、結局
PCに繋いで使うので、PCの電源と連動になってかえって便利ですね。


CbxUsbPsu_15.jpg

USB電源で動かしていますが、動作には全く問題ないですね。正常稼働中。
レギュレータもMax 500mAの78M05にしたので、ほとんど発熱はなし。


今のところCBX-K1は使う時だけ引っ張り出して来て、MIDIケーブルとAC
アダプタを繋いでいました。それに若干の煩わしさを感じていましたが、
PCにMIDI I/FのUM-ONE mkIIとUSBケーブル1本を繋いでおけば、すぐ
準備完了になります。ACアダプタが要らないのはスッキリしますなぁ。

ちなみに左上に付いている赤いボタンは、どこにも配線が繋がっていません。
サスティンペダルの代用にしようと思ったけど、このスイッチはカチカチと
チャタリングが酷くてペダルデータがダブりまくるので、配線外しました。

ハードウェアは電源の確保が鬱陶しい所ではありますが、これで多少便利に
なりました。打ち込み作業をしたい!となった時に、素早くセットアップが
出来ますね。


※2023/10/21 追記

このキーボードは、ピッチベンドとモジュレーションが 0V~2.5V~5V の
アナログ変化を読み取っているので、電源電圧が下がるとコントローラから
の出力が相対的に下がってしまうのでは?という懸念がありましたが…。

CbxUsbPsu_16.png

実際に操作してデータをリアルタイム録音してみた限りでは、どちらも上限
+8,190 / 127 が出力されているので、これも大丈夫(ピッチベンドの範囲は
-8,192~0~+8,191 の16,384段階ですが、1違っていてもコントローラと
しての用途であれば差はありません)。



posted by ゆう at 2023年10月20日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月21日

カモンミュージック MA01

最近も色々と工作的な事をやっているのですが、どうにも失敗続きで記事に
出来ないので、今回はちょっとした観察記事です。


今のキーボードは、DIN 5ピンの MIDI 端子を装備している機種がほとんど
無くなりましたね~。一応PCやタブレットに接続は出来るものの、USB で
直結が基本です。
上位のシンセや音源はまだ付いていますが、そのうち全てTRS形式になるか
MIDI 端子という概念そのものが消えるのでしょうか。
その昔、RS-232Cで接続していた時代が懐かしいです。


ComeOn_MA01_01.jpg

カモンミュージックのシーケンスソフト、レコンポーザ V2.5 に付属されて
いた MIDI インターフェイスです。型番は MA01。

PCのRS-232C端子(D-sub25ピン)に接続するタイプの I/F ですね。

ComeOn_MA01_02.jpg

中身はそれほど複雑ではありません。MIDI IN 側に絶縁用のフォトカプラ
PC900V が目立つ程度。

EMU-232C という印字、銀色のシールを剥がすと ERIE と刻印があるので、
恐らく三鈴エリー(2019年にエムイーシーテクノに吸収合併)が製造していた
物ではないでしょうか。その昔は、PC-98シリーズのCバス用MIDI インター
フェイス EMU-98 なども製造していたようです。


ComeOn_MA01_03.jpg

基板裏面。LEDを交換した時にパターンが剥がれたので、修復した跡があり
ます(笑)。

RS-232C 端子とは5本繋がっています。RS-232Cは規格上 100~200kbps
で通信出来るようなので、31.25kbps の MIDI に問題なく使用できます。


ComeOn_MA01_04.png

回路図を描いてみました。

TxDからの信号はLEDを通して直接 MIDI OUT に行っています。

MIDI IN からの信号は最初にフォトカプラ PC900V で絶縁されます。
PC900V の出力はオープンコレクタなので、47kΩでプルアップされている
2SC1815 の B に繋がり、6.8kΩでプルアップされた C の信号が RxD へと
流れるようになっています。

多分。


MIDI という規格自体そもそもそれほど高速ではないので、トランジスタに
よるスイッチングで十分間に合いますね。

CTS/RTS が直結しているので、フロー制御等は行われていません。
RTS(送信要求) の出力を CTS(送信可) に戻しつつ動作用の電源に使っている
のかな。


ComeOn_MA01_05.jpg

ついでなので、パターンが剥がれてグラついているLEDを交換しました。
あまり好きではないけど青色LEDに。

LEDがはまっていた四角い穴はホットグルーで埋めて、LEDが直接表面に
露出しない形に変更。


ComeOn_MA01_06.jpg

まだまだ問題なく動作してビックリ。LEDもしっかり光っています。

それにしても、いつ立ち上げても画面の偏光シートがガビガビなのが気に
なる…。

それとDTMから離れていた時間が長すぎて、レコンポーザの使い方を殆ど
忘れてしまっていますね。MIDI 信号の出力先がデフォルトだと MPU になっ
ていて、RS-232C に切り替える方法で小一時間悩んでしまった。



posted by ゆう at 2023年02月21日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月12日

MIDI パッチベイ ME80P の電源を交換

2月も中旬になりまして、何やら数日後にはまた寒くなるような話が聞かれ
ますが、DTMerの皆さまにおかれましては寒中全裸DTMが捗っておられる
事とお慶び申し上げます。


世の中色々な物が値上げの一途を辿り、またしても電気料金が値上げされる
との事で、少しでも消費電力を下げる為に MIDI パッチベイ ME80P の電源
回路を載せ替えようと思いまする。今回で400記事目。

その電源回路とは、例によってガラケーの充電器です(笑)。


ME80P_PSUChange_01.jpg

現状、MIDI 機器を何も繋がないアイドル状態でAC側の消費電流は 40mA。
100 (V) × 0.04 (A) =4 (W) です。

ME80P_PSUChange_02.jpg

取説を見ると消費電力は 4.5W とあるので、ほぼ仕様通りですね。


ME80P_PSUChange_03.jpg

これが今載っている電源。

以前の記事に書いた通り、ME80P は元々トランスと三端子レギュレータの
リニア電源でしたが、それをスイッチング電源に載せ替えてあります。右の
メイン基板に400mAのヒューズがあるのに2Aのオーバースペックな電源が
付いております。

元々の三端子レギュレータが7805で400mAという事は…これもしかしたら
USB電源で駆動できるって事…?


載せ替えは配線を4本繋ぎ替えるだけなので、サクッと作業して…。


ME80P_PSUChange_04.jpg

載せ替えました。

ケースに使っているのは、100円ショプーのランタンの残骸です。これが丁度
基板を収めるのにピッタリサイズだったんですよね~。

さて、それでは消費電流を測ってみましょう。


ME80P_PSUChange_05.jpg

10mA 以下!ほぼ1/4になりました。
消費電力でも1W以下です。しゅばらしい。

ME80P_PSUChange_06.jpg

MIDI OUT側のLEDを全点灯させても15mA弱、1.5W以下。
実際に MIDI 機器を接続してパッチ機能を動作させたとしても、せいぜい
20mAくらいだろうと思います。結構下がりましたね。やはり古い電源は
消費電力が多い。

このガラケー電源は600mA出力ですが、小一時間ほど電源を入れたままで
放置していてもほとんど発熱していないので、通気孔のないこの筐体でも
大丈夫でしょう。

まぁ今のUSB電源に比べたら、ガラケー充電器も大概古いですけどね…。

最近またちょいちょい楽器をいじったりしている事が多く、使用していない
楽器の電源は切ってあっても、ME80P はずっと電源を入れている事が多い
ので、消費電力を下げられたのは良い事ですね。


ついでなので、外したスイッチング電源を見てみます。

ME80P_PSUChange_07.jpg

スイッチング電源ながらスイッチング素子がパワートランジスタだったり、
大きな抵抗が載っていたりでいかにも古そう。

ME80P_PSUChange_08.jpg

COSEL (コーセル) の LCA10S-5 。100V入力 5V 2A 出力、つまり10W。

幸い詳細データがコーセルのサイトにまだ残っていました。これを見ると
発売は '93年のようですね。30年前の電源…。

これは5V固定ですが、LCA10S-5-Y だと電圧微調整が出来るようです。


ME80P_PSUChange_09.jpg

上に見える TO-92 パッケージは C1093 と書かれていて一見トランジスタ
に見えますが、TL431と同じ NEC のシャントレギュレータ uPC1093 です。

手前に写っている 黒黒 の抵抗 (750Ω ±1%) が C1093 の Ref 電圧
に絡んでいて、型番に -Y が付く電圧微調整型ではここに半固定抵抗が実装
されます。

470Ωの抵抗+500Ω位の半固定抵抗を直列に付けたら微調整できそう。


それにしてもダイオードの足が煤けているのが気になります。SC-88Pro の
タクトスイッチを清掃した時も、接点にこのような黒い煤っぽいのが付いて
いました。

昔の木枠のTVなんかでも良く見られた光景ですが、電流が流れている部分が
発熱する事で、空気中のチリやホコリを集めてこうなってしまうんでしょう
か。

真鍮のワイヤブラシやスコッチ&ブライト等で簡単に落ちますが、ちょっと
気色悪いですね。



※2023/02/13 追記

ついでなので、外したスイッチング電源をメンテしておきました。

ME80P_PSUChange_10.jpg

ダイオードは外して片足をスコッチ&ブライトで磨いたら綺麗になりました。
型番は 3SM49 なので恐らく3A。壊れてはいないけど、一応別の3A SBDと
交換しておく事に。

で、ダイオードの足にハンダごてを当てたら、いかにもコンデンサが液漏れ
していそうな独特な臭いがプ~ン。

ME80P_PSUChange_11.jpg

二次側の電解コンを全部外してみましたが、目に見えて漏れている物は無し。
でも臭いからして明らかなので、同じ日ケミ製に交換。

1uF 50V×1
470uF 10V×4

ME80P_PSUChange_12.jpg

上が外した物。コイツは足の感じからして特に怪しいかな。


ME80P_PSUChange_13.jpg

無負荷で5.1V出力です。試しに定格の2A負荷をかけていますが、電圧降下は
0.1Vで優秀ではありますが…。

この電源、無負荷時のAC側電流を測ると36mA流れています。最初の写真で
ME80P 全体の消費電流が40mAだった事を考えると、消費電力のほとんどは
この電源単体で消費していた事が分かりますね。

そういう意味でも交換して良かったかも。


ME80P_PSUChange_14b.jpg

ちなみに拾い画像ですが、上の写真が本来の ME80P の内部です。

電源スイッチには基板があり、トランス、ブリッジ整流器、5Vレギュレータと
放熱板などが見えますね。



posted by ゆう at 2023年02月12日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月21日

ヤマハ REX50 を修理してみる

以前ジャンクで買った REX50、変なノイズが出るようになってしまい不調の
まま放置していましたが、今回腰を据えて修理をしてみようと思います。

不調の症状は ヤマハ REX50 の調子が悪い で書いていますが、音を鳴らすと
ヒャ~~~ン というハウリングのような音が徐々に大きくなって来て、最大に
なると楽器の音がほとんど聞こえなくなります。

リバーブタイムを短く設定するとノイズは鳴らなくなるので、使用上差支え
ない1.5秒位に設定して使っていますが、ホールなどの深い残響が使えない
ので困っております。


で、これまで何度もハンダのチェックやオシロを当てて波形を見たりしては
いましたが、埒が明かないので今回DRAMを交換してみる事にしました。

とは言え、いつもの事ですが「確実にDRAMが悪い」と確定した上での交換
作業ではありません。この中で最も壊れやすいのはDRAMではなかろうか?
という憶測だけで作業を行っております。
というか、どう考えても他に壊れそうな部分がないんですよねぇ…。

REX50RepairFail01.jpg

まぁとにかく、作業をやって行きますか。


REX50RepairFail02.jpg

交換するのはこの MB81416-12 ×6個です。
サービスマニュアルでは M5M4416P-12 となっていますが、同等の互換品
が実装されています。

18ピン×6=108ピン、しかもスルーホール両面基板。
最初のうちはせっせとハンダ吸い取り器でスッポスッポやっていたものの…。

REX50RepairFail03.jpg

やはり表側のハンダが吸い切れず、取れる気がしません。
ハンダごてを足の列に沿って素早く往復させ、9本まとめて溶かせないか
試しましたが、DRAM間の細いパターンを切ってしまいそうで断念。
これは難航しそうな予感。

やっぱりヒートガン使うしかないかぁ…という訳で、諦めてヒートガンで
加熱したら、DRAM自体は割と簡単に取れました。

ただ…。

REX50RepairFail05.jpg

基板が焦げたように変色してしまった。まぁこれくらいなら大丈夫かな。
茶色い汚れは恐らく基板表面の保護剤かフラックスが焦げた模様。

やはり特定のパーツだけを外すなら、リワークステーションのような小型の
ヒートガンを使うべきですね。大きい物だと関係ない所まで加熱してしまう。

REX50RepairFail04.jpg

Uh... Houston, we've had a problem.

加熱し過ぎたせいか、抵抗アレイがお亡くなりになりました…。

10kΩ×8 のアレイなので、普通の10kΩ 1/4Wの抵抗を8本並べて代用して
おくことに。


REX50RepairFail06.jpg

この時点でもう既に、回復不可能なくらい壊れてるんじゃね?という予感が
したので、とりあえずDRAMなしの状態で電源を入れてみました。

するとちゃんと起動して来ます。大丈夫っぽいので作業を続けますか。


REX50RepairFail07.jpg

DRAM跡地にソケッツをハンダ付けしました。というかRAM関係は、右の
EPROMみたいに元からソケットにしておいて欲しいよねぇ…。
昔の8bit PCは大抵RAMがソケットに挿さってますし。

ソケッツと左の DSP YM3804B の間に3つある抵抗アレイは、前述の通り
破損した1つを修復。奥の2つは大丈夫なようです。

REX50RepairFail08.jpg

ひとまず、外した元のDRAMをそのまま挿し込み動作テスト。

テストモードでDRAMチェックをしましたが、正常な表示です。
一応DRAM自体は認識されているけど、メモリの一部分だけが壊れている
とか、そんな感じの故障かも知れない(と思い込んでいる)。

この状態で音を出してみましたが、やはり症状は変わりません。しばらく
するとハウリングのようなノイズが出て来ます。
ハンダ不良とかでワンチャン直ったりしないかな?と思ったりしましたが、
そうは問屋が卸さない。


REX50RepairFail09.jpg

ャフォクで購入したDRAMが届きました。元が87年製、こちらは88年製。
メーカも同じ富士通の物です。35年も前のDRAM、しかも未使用品が今も
手に入るとは。8個¥1,000くらいで買えました。

実はこのDRAM、検索するとebay辺りでも結構売ってるんですよ。
1個¥1,500とか、やたら高いですけどね…。それらは、発送元を調べると
ほぼ全て中国です。

中国から出回っているこの手のチップ類は、廃品から外した動くかどうかも
怪しい物の足を綺麗に整えてあったり、性能の低いチップに上位品の型番を
刻印したようないわゆるフェイクチップがかなり出回っているらしいので、
海外から買うのは避けました。

ちなみにフェイクチップは、表面をアセトンで拭くと型番が消えてしまい、
その下から本来の型番が出て来るそうです。


REX50RepairFail10.jpg

購入したDRAMに載せ替えたので、これで直っているはず!元通りに組んで
早速テストしてみます。
せっかくなので動画を撮ってみました(22秒)。一応音量注意という事で。





はい、直りませんでした😭



嘘だろ…?う~ん…絶対DRAMだと思ったんだけどなぁ…。
正直、またノイズが聞こえて来た時は愕然としましたね…。
ちなみにこのノイズはちょうど1.7kHzです。ノイズが鳴っている状態で、
オシロで回路を当たってみれば発生源くらいは分かるかも。

DSP をバイパスするとノイズが消えるので、発生源はデジタル系で間違い
ないです。という事は DSP YM3804B かぁ。でもこんな LSI 手に入らない
ので、これ以上は調査のしようがないですね。

3台目の REX50 を買ってニコイチするくらいなら、ジャンクなどではなく
まともに動く物を買った方が得策ですし。

まぁとりあえず、あまりリバーブタイムを長くしなければ必要十分な効果を
得られるので、元のDRAMに戻しますかね~。

REX50RepairFail11.jpg

元々付いていたDRAMに戻しました。買った方は一応大事に保管しておこう
と思います。使い道があるかどうか分かりませんがね。

EME-1 を探しているんだけど、なかなかオクには出て来ませんねぇ…。



タグ:YAMAHA REX50
posted by ゆう at 2023年01月21日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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