2022年12月15日

DTX のロータリエンコーダ分解修理

今年も残り半月となりましたが、DTMerの皆さまにおかれましては寒さに
関係なく全裸DTMが捗っておられる事と、お慶び申し上げます。


今回はチャタリングが出始めたDTXのロータリエンコーダを分解修理して
行こうかと思いまする。


DTX2_RtrEnc01.jpg

手持ちのDTX Version2.0 (型番は DTX2 )です。

元々は電子ドラムの音源なので当然パッドもあるのですが、最近はもっぱら
CBX-K1と繋いで単なるGM音源として使う事の方が多くなりましたね~。

ロータリエンコーダがチャタって来たせいで、パラメータや音色変更の時に
安定しません。右に回しているのに数値が減ってしまったりとか。
発売は'96年頃で26年も経っているので、それでも長持ちした方ですが。

操作が煩わしくなるので、サクッと直してしまいましょう。


DTX2_RtrEnc02.jpg

バックパネルを外してコネクタを全部引っこ抜きます。同じようなコネクタ
がたくさんありますが、コネクタごとにピン数が違うので間違って無関係な
所に挿してしまうという事はありません。

それでも一応心配なので、マジックで印をつけてあります。

DTX2_RtrEnc03.jpg

エンコーダは独立した小さな基板で取り付けられています。

DTX2_RtrEnc04.jpg

表にひっくり返してツマミを外します。この時は簡単に外れましたが、こう
いったツマミが抜けない時にマイナスドライバ等でこじると、傷がついたり
ツマミが割れてしまったりします。

なので、適当な糸を下に潜り込ませて一周グルっと巻き、糸の両端を平行に
引っ張ると安全に取り外せます。

また回転を円滑にする為ツマミの裏に玉っころが3つ入っています(緑丸)が、
すぐにポロッと取れてしまうので、紛失しないよう注意。

ナットは11mmのソケットがピッタリです。ここもラジオペンチ等で外すと
傷を付ける事があるので、ソケットがおすすめ。

DTX2_RtrEnc05.jpg

基板ごと外れたら、ハンダ吸い取り器(線)などを使いエンコーダを基板から
取り外します。


DTX2_RtrEnc06.jpg

外れました。黄色丸部分のツメを起こすと、エンコーダを分解できます。
Mマークがあるので松下製かな。

DTX2_RtrEnc07.jpg

分解するとこのようになっています。

まずは劣化してオレンジ色になったグリスを綺麗に拭き取り。アルコールを
使うと綺麗に落とせます。

特に右のロータ部分の接点表面がくすんでいる場合は、スコッチ&ブライト
などちょっと硬めのスポンジで軽く磨くと良いです。紙ヤスリはダメ。

DTX2_RtrEnc08.jpg

固定側にはこのようなブラシ様の接点が出ていますが、非常に繊細で簡単に
曲がってしまうので注意。丁寧にアルコール綿棒で矢印の方向に、一方向で
拭きます。

DTX2_RtrEnc09.jpg

この金具は、回転軸の周囲に刻まれた凹凸に当たる事で回転にクリック感を
出すためのバネで、電気的には繋がっていないので磨かなくてもOk。


DTX2_RtrEnc10.jpg

接点のクリーニングが終わったら、シリコングリスを適度に塗っておきます。
回転部分の潤滑はもちろんですが、接点に塗っておく事で金属に酸化被膜が
出来にくくなる効果もあります。というかむしろそれが主な狙い。


DTX2_RtrEnc11.jpg

グリスを塗ったら元通り組み立てます。

バラした時の順番、上下左右を忘れないようにしましょう。間違っていると
上手く組み合わなかったり、接触が余計に悪化したりしますし、何度も開け
閉めしているとツメが折れてしまい、二度と閉じられなくなったりします。


DTX2_RtrEnc12.jpg

完成したら軸を回して、軽く回る事を確認しておきます。

DTX2_RtrEnc13.jpg

ついでなのでツマミの玉っころと、玉っころが当たる部分にもシリコングリ
スを塗っておきました。


あとはエンコーダをハンダ付け、トップカバーに取り付け、基板のコネクタ
接続、バックパネル閉めと、逆の手順で組み立てて行きます。


DTX2_RtrEnc14.jpg

完成~。ちなみに冷却ファンは後付けです(笑)。

実際にエンコーダをグリグリして、パラメータがスムーズに増減できるかを
確認し、問題がなければ作業完了です。

光学式のエンコーダならこんな面倒な作業は不要なんですが、さすがにこの
手の製品で光学式を使っているのは見た事がないです。
音量などのスライダにガリが出る事も多いのですが、この DTX2 は問題ない
ので今回は手を付けません。

分解清掃でスムーズにパラメータが変わるようになりました。
まぁでも、ひとつずつ音色を鳴らしながら聴いて行く時は -1/+1ボタンの
方が操作が楽ですけどね~。



posted by ゆう at 2022年12月15日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月06日

1円 PSR-310 ミの音が出なくなった

約1年半前にジャンク1円で購入したヤマハの PSR-310 ですが、久しぶりに
出して弾いたら音の出ない鍵盤が…。なのでそれを直すことに。


PSR-310_Ekey01.jpg

音が出ないのは E3 と E4 の2つです。弾き始めたら E4 が鳴らずあれ?と
なり、これは直すの大変そうだと思いつつ全鍵盤を弾いてみたら E3 も鳴ら
ない事が判明。
テストモードでどれだけ強く弾いてもディスプレイの表示が変化しないので、
そもそも押鍵自体を検出していない模様。

1鍵盤だけ音が出ないなどの症状であれば、鍵盤下のスイッチに問題があり
そうですが、今回の様にオクターブ違いで同じ音名が鳴らないという時は、
大抵鍵盤ではなくコネクタの方に問題があります。

鍵盤のスイッチは一定個数ごとにまとめられ、マトリクスとして配線されて
いますからね。


PSR-310_Ekey02.jpg

…とその前に、開けたついでに鍵盤バックパネルの錆びをチェック。

若干盛り上がっている部分をマイナスドライバでガリガリしてみましたが、
塗装が剥がれて来る事はなかったので大丈夫でしょう。


PSR-310_Ekey03.jpg

メイン基板に繋がっている鍵盤部のコネクタを抜いて、ここをアルコール
ティッシュで拭いて汚れを落とし、再び挿し込みます。それだけ。


PSR-310_Ekey04.jpg

直りました~。テストモードで弾いてみると、ちゃんとベロシティの値が
ディスプレイに表示されます。弾く強さで値も変化するので、鍵盤側には
特に問題なさそうですね。

鍵盤バラすのは手間がかかるので、コネクタ清掃だけで直って良かった。


でも前回のオイルチェンジャ修理もそうですが、最初は直すの大変そうだ
と思っていたものがあっさり直ると、良かったような残念なような…。

結果的に軽作業で直ったのでヨシ!



タグ:YAMAHA PSR-310
posted by ゆう at 2022年12月06日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月29日

CASIO MT-750 の電源回路を作り直す #2

11月も明日で終わりすな~。先日 MT-750 の電源回路を作り直す作業をし、
音声の出力が上手く行かなくなりました。今回はその続き作業です。


続き作業というか、結論から申しますと結局元に戻しました(笑)。

色々とやってみたんですけどね。別のレギュレータを追加して DVDD と
AVDD を別駆動すべく4連装にしてみたり、

MT-750NewPS_07.jpg

オペアンプ用の12Vレギュレータを5.1V物に替えてみたり。

でも、どれも上手く行きませんでした。お手上げです。音が正常に出力され
なければ全く意味がないので、それなら元の回路のままの方が良いかと。
この電源回路は複雑で、当たり前ですがそれにはちゃんと理由があるんです
ね。素人考えで安易にいじろうとするから、こういう事になる…。


MT-750NewPS_08.jpg

部品は全て、万が一の為に小袋で保管しておいたので、元に戻す作業は容易
でした。ただ、元の状態の写真を撮っておいたにも関わらず、ちょうど写っ
ておらず赤丸で囲ったダイオードの住所が分からない…。

MT-750_PSU_Sche.png

以前の記事に貼った電源周りの回路図からすると、Power IC のすぐ右側、
2SD2008 の B に繋がっているようだ。

MT-750NewPS_02b.jpg

場所が分かりました。上の方にあるツェナーはちゃんとダイオードマークが
描かれているのに、なぜかこっちのダイオードだけは縦線1本しか描かれて
いない(緑丸)。こんなん分かるかい。

という訳で無事に住所不定だったダイオードの家が見つかりました。


MT-750NewPS_09.jpg

回路が元に戻ったので、安定化回路にある測定ピン VDD-GND 間の電圧を
測りながら半固定抵抗を回して、+5Vになるよう再度調整。


これで、出力される音声が正常に戻りました。ノイズも歪みもなく、とても
クリアな音で鳴っております。

めでたしめでたし。




…じゃなくて。

これではまた電源を切った時にロジックIC系の電圧が跳ね上がる問題までも
再発してしまいます。
実際に電圧を測りながら電源スイッチをOFFにしたところ、5秒間ほど最大で
7.5Vくらいまで上がります。
これでも、ACアダプタ直後に9.3Vのレギュレータを入れたからこそ7.5Vで
済んでいますが、レギュレータがない元の状態では10V超えてましたからね…。

使われているロジックICのデータシートをチェックすると、どれも絶対最大
電圧は 7V となっています。いずれ壊れるかも。

なので苦肉の策として…。

MT-750NewPS_10.jpg

DVDD-GND 間に5.1Vのツェナーを入れました。

この状態で電源を切ると、これまで7.5Vに上がっていた電圧が最大でも5.5V
までしか上がらなくなりました。ICの保護にはなったと思います。

ただ、電源をOFFにして電圧の跳ね上がりが始まってから、0Vに落ちるまで
の5秒間でツェナーがアッチッチになりますけどね。
どの程度の期間これで保護出来るかは、現状分かりません。そのうち全体の
電源が入らなくなったら、このツェナーがショートモードでお亡くなりになっ
た可能性大です。


それでも保護がないよりはマシですので、これでしばらく様子見ですね。

やっぱり難しいなぁ。



タグ:CASIO MT-750
posted by ゆう at 2022年11月29日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月27日

CASIO MT-750 の電源回路を作り直す #1

もうすぐ12月ですねぇ。DTMerの皆さまにおかれましては秋の大全裸DTM
大会が捗っておられる事とお慶び申し上げます。


さて、去年の暮れ頃にCASIO MT-750 の電源回路の考察をしておりました。

電源スイッチをOFFにすると数秒間ロジックICが繋がっている+5Vレーンの
電圧が跳ね上がる問題。電源周りは特にいじっていないので、純正の回路で
こういう動作を元からしているものと思われます

ロジックICの全てが+5Vを超えると壊れるという訳でもありませんが、気に
なるのでここを改造して行こうと思います。


MT-750NewPS_01.jpg

手始めにまず、元からある電源回路のパーツを全て外してしまいましょう。

この辺にはチューニング用の可変抵抗やMIDI周りの回路が近くにあるので、
誤ってそれらの部品を外してしまわないよう、注意して進めます。

MT-750NewPS_02.jpg

一番大きな電解コンデンサ以外を全て外しました。


さて、ここからが問題です。

以前の記事に書いた通り、MT-750 は4つの電源系統で成り立っています。

VC:パワーアンプ等に供給(ほぼ入力電源から直)
VDD:各ロジックICへ供給(+5V)
AVDD:アナログ系統へ供給(+5.5V)
DVDD:CPU、MIDI回路等、一部のデジタル系統へ供給(+5V)

VC に関しては、手持ちの MT-750 はパワーアンプ回路を撤去しているので
現時点では必要ありません。

これらは SANYO の LA5668N という電源用ICで制御されていますが、オー
トパワーオフやメモリ内容の保持の関係でCPUと絡んでいて複雑です。
電源スイッチも、OFF位置で電池やアダプタからの給電を断つだけの単純な
回路ではありません。
なので色々調べてみました。


どうやら、LA5668N とCPUの一部回路には常に通電されているようですね。
スタンバイ回路とでも言いましょうか。消費電流はほとんど流れないので、
そのせいで電池があっという間に無くなってしまうという事はない模様。
そのスタンバイ電源を出力しているのが VDD です。
電池が入っているかアダプタが接続されていれば、電源スイッチの位置とは
関係なく、常に+5~6V程度出ています。

この電圧でSRAMの内容の保持と電源スイッチのON/OFFを監視していて、
ON位置になるとCPUのあるピンから+5Vを出力します。
その+5Vが LA5668N の10ピン APO に入ると、LA5668N は AVDD と
DVDD に規定の電圧を出力、全体の電源が入ります。

●オートパワーOFF時の動作
CPUは常にボタンや鍵盤の操作を監視していて、操作がなくなってから5分
ほど経過すると、先ほどのあるピンからの+5V出力を遮断します。
すると LA5668N が AVDD / DVDD の出力を遮断するので、全体の電源が
落ちる、という動作をしていますね。


話が長くなりましたが簡単にまとめると、

・常時電源として+5Vが必要
・それとは別に AVDD / DVDD の+5Vが必要
・オペアンプを追加しているので、それ用の+9~12Vも必要
・AVDD / DVDD とオペアンプ用電源はCPUからの信号でON/OFFする必要
 がある

という事になります。

VDD の常時電源+5Vは電源ONの状態でも最大35mAくらいしか流れない
ようなので、小さいレギュレータで良いでしょう。
AVDD / DVDD とオペアンプ用は1Aくらい必要で、さらに外部から出力を
制御できるレギュレータが必要。


これらを踏まえて電源回路を作ってみました。

MT-750NewPS_03.png

レギュレータを3つ使っています。

78L05 (+5V 100mA)
VDD 用の常時電源を出力します。ここは出力の小さな物でOK。

PQ05RD11 (+5V 1A)
全体の電源 (AVDD / DVDD) を担当。

PQ12RD08 (+12V 0.8A)
オペアンプの電源供給用。

PQは4ピンがON/OFF制御になっており、このピンが2V以上になると規定の
電圧を出力します。ここにCPUからの信号を入れます。 LA5668N の APO
端子と同じ役割です。


MT-750NewPS_04.jpg

できました。一番左の小さいレギュレータで+5V常時電源を、中央のレギュ
レータでメイン回路用の+5Vを、右のレギュレータでオペアンプ用の+12V
を生成します。

電源周りを撤去した所にこれを組み込んでいきます。


MT-750NewPS_05.jpg

組み込み完了。早速電源を入れてみましょう。


MT-750NewPS_06.jpg

おお、動作バッチリです。電源回路に近いチューニングやMIDI周りも問題
なく機能していますね~。

懸念していた「電源OFF時に AVDD / DVDD の電圧が跳ね上がる」という
問題もクリアできました。既定の電圧から電源をOFFすると、速やかに0Vに
なります。

これでロジックICに余計な負担がかかる事はなくなりましたね。


…と喜んでいたのですが、実際にヘッドホンを繋いで音を鳴らしてみると、
音がガビガビ。歪んでいるというか割れているというか。

オペアンプの電源電圧が+9.3V→+12Vに変わった以外は何もいじってない
ので、今回の改造でどこかしら問題が発生しているようです。
やはりアナログ系統の AVDD とデジタル系統の DVDD の電源をひとまとめ
にしたのがまずかったのか…。

回路図を見ると AVDD が供給されているのは DAC の LC7881 しか無いん
ですが、音に影響が出ている事を考えると、やっぱりまとめた事に原因が
ありそう。

とりあえず今回はここまで。

そのうち AVDD の+5Vを別供給として音割れが消えるかどうか、を試して
みる事にします。

まぁ正直なところ、電源用ICでまとめて制御されている部分をわざわざ効率
の悪いリニアレギュレータに置き換えて、何か意味あんのかって気もします
が…。


上手く行くと思ったんだけどなぁ…。



タグ:CASIO MT-750
posted by ゆう at 2022年11月27日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月26日

ヤマハ REX50 の調子が悪い

昨年11月にヤマハのマルチエフェクタ REX50 を購入し使っていたのですが、
数日前から不調というか変な症状が出始めました。

電源を投入して1~2分放置すると、ヒャ~~ン という感じの音が徐々に大きく
なって来て、そのノイズが最大音量になるとまともに使えません。う~ん、
これは困った。

元々ジャンクとして買ったので、元から壊れていた説もありますが。


Rex50Fix01.jpg

とりあえず本体内のサービススイッチを T 側に切り替えて DSP をバイパス
するとこのノイズはピタッと止まるので、デジタル系がおかしいようです。


Rex50Fix03.jpg

オシロで DRAM のクロックを当たっていますが、全て正常に動いている様に
見えます。1MHzで動いてますね。

Rex50Fix04.jpg

DSP の YM3804B も正常に1MHz のクロックが入っています。


Rex50Fix02.jpg

DRAM のアドレスとデータピンを当たってみますが、これも全てのピンから
波形が出ているので、DRAM が死んでいるという事もなさそう。

と、ここでオシロの充電が切れてしまったので、これ以上は調査不可に。

もっとも、サービスマニュアルには昔の家電のように要所の波形が描かれて
いるなんて事はないので、どんな波形が見えたら正常なのかは分からないん
ですけどね~。


エフェクトのタイプを切り替えるとリセットがかかるようで、一旦ノイズも
消えますが、そのまま放置しているとまたノイズがジワジワと大きくなって
来ます。う~ん、何だこりゃ。


次回、もうちょっと深い所まで調査して、直せるようなら直したいと思いま
す。とりあえず今回はここまで。



タグ:YAMAHA REX50
posted by ゆう at 2022年05月26日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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