2021年11月28日

ヤマハ REX50 謎のスイッチ

REX50 の基板上には、謎のスライドスイッチが2つ付いています。これ一体
何なんでしょう。


s-IMG_2385.jpg

これですね。

それぞれ SW101・SW102 となっていて左側が T 、右側が N となっている
ようです。

このスイッチについては、サービスマニュアルにも特にどういう機能なのか
という言及はありません。調整の時に T にしろ、N にしろと指定されている
だけです。
調整時に切り替えるので恐らく T=Test、N=Normal ですかね~。

回路図で追ってみましょうか。

REX50_SW101.png

SW101 の周辺です。

YM3901 (ADA) の17ピン DIN1 と19ピン DOUT の間に入っており、その
先はYM3804 (DSP) の18ピン SI0 と20ピン SO0 に繋がっています。

DIN1 は Digital In 1
DOUT は Digital Out
SI0 は Serial Data Input Terminal 0
SO0 は Serial Data Output Terminal 0

なので、SW101は T 側にすると ADA のデジタル出力を入力に直結する形に
なるので、DSPをバイパスします。
何か異常が発生した時に、その異常がアナログ経路で起きているのか、それ
ともDSP側のデジタル処理に問題があるのかを切り分ける為のスイッチです
ね。

スイッチを T 側にした時に異常な音などが止まるようであれば、デジタル側
に問題があると判別できます。


REX50_SW102.png

次にSW102。

これはちょっと分からんですね~。YM3901 (ADA) の30ピン、31ピンどち
らの信号をIC 137 (TC4053BF-T1) の10・11ピンに入力するかを切り替える
スイッチのようです。

TC4053BF は トリプル2ch マルチプレクサ・デマルチプレクサというICです
が、要はアナログスイッチです。PCM54HP (DAC) から出力されたアナログ
信号をステレオに振り分けているようですね。

YM3901 (ADA) の30ピン、31ピンはそれぞれDEG1・DEG2となっており、

DEG = Outputs De-glitch Signal

らしいです。この端子はどちらも波形は分かりませんが 31.21kHz の信号が
出力されており、DA変換のサンプリング周波数 31.25kHz とほぼ一致します。
恐らくこのスイッチは、出力を強制的にモノラルにするのではないでしょう
か。

REX50 は入力されたステレオ信号をバッファ後にまとめてモノラル信号とし、
以降のエフェクト処理は全てモノラルです。YM3901 (ADA) でデジタルへと
変換してDSPを通し、再び YM3901 (ADA) へ戻し、PCM54HP でアナログへ
戻して出力している訳ですが、パンやピッチシフタ、ステレオディレイなど
中にはステレオで出力されるエフェクトもあります。

詳しい事は分かりませんが、ステレオ出力のエフェクトではTC4053BF-T1
を使って左右に音を振り分け、その切り替えのクロックが YM3901 (ADA)
から出ているDEG1・DEG2なのでは?と思います。

PCM54HP の19ピン VO がアナログ出力でここまでモノラル、その先が
2つに分けられて TC4053BF-T1 によって左右に振り分けられている…様に
思います。まぁ素人なんで回路からそう推測しただけですけどね。


とまぁ2つのスイッチはそれぞれ、そのような働きがあるようです。通常の
使用ではどちらも N 側で使うのですが、パネル上の [BYPASS] スイッチで
バイパスするよりも、SW101 を T 側に切り替えた時の方が自然に聴こえる
ような気がしないでもない。


それにしてもこの REX50、背面と裏面がネジだらけでトップカバーを外す
だけでも14本もネジを外さなければならず、とても面倒ですねぇ…。
14本のうち12本は内部のシールドを留めているだけで、実際にトップカバー
とボトムカバーを留めているネジは2本しかありません。

もしかしてこんなにネジ要らないんじゃ…?



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2021年11月19日

ヤマハ CBX-K1にMIDI OUTモニタを付ける

以前の記事で少し触れたような気がしますが、手持ちの MIDI キーボード
CBX-K1 には、MIDI OUT の信号に合わせて点滅する LED を付けています。
今回はそれの解説と、個人的な備忘録記事です。

とは言っても NPN トランジスタ1個と抵抗2本、LED だけで出来る回路なの
で、それほど難しい事ではありません。電子工作に慣れた人であれば10分で
作れるのではないでしょーか。簡単なインバータ回路です。


CBX-K1_MidiOutLED01.jpg

基板に作るほどでもないので、CBX-K1 の基板裏に直接配線しています。

CBX-K1_MidiOutLED02.png

回路図はこのような感じ。LED が明るすぎて鬱陶しい時は、電流制限抵抗の
680Ωの値を大きくすると良いでしょう。

※この回路は LED が点灯していない時でも常時電流が流れているので、電池
駆動の機器には向きません。680Ω時に約7.35mA流れています。


CBX-K1_MidiOutLED03.png

CBX-K1 の MIDI 信号を取り出す場所ですが、CPU の9ピンから出ているので、
その先のトランジスタ 2SA1015 のベースに入る前であればどこから取っても
Ok です。今回は、配線し易いよう回路図の R4 の片足から取りました。


インバートする理由については、過去の記事で解説していますので、そちら
も併せて読んで頂けると分かりやすいかと。このページの MIDI チェッカを
実際に組んでみただけです。しかも付けたのはだいぶ前だったり。


CBX-K1_MidiOutLED04.jpg

MIDI OUT に何も信号が出ていない時は、LED は消灯しています。

※但し、タイミングクロックを出力している場合は薄暗く点灯しっぱなしに
なり、アクティブセンシングを出力している場合は一定周期(300ms)ごとに
点滅したりします。

CBX-K1_MidiOutLED05.jpg

MIDI 信号が何かしら出力されると、その時に明るく光ります。
正常に MIDI 信号が送出されているかを簡易にチェックする事が出来ます。

ちなみにこの LED の光をそのままフォトトランジスタ等で受け、インバータで
ひっくり返して音源等の MIDI IN に入力すると、MIDI ケーブルで接続せずに
普通に音が鳴ると思います。


知らんけど。



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2021年11月15日

ヤマハ REX50 電源コード交換

今回は、先日購入した REX50 のACコードがヨレヨレ~なのが気になったの
で、交換するだけの記事です。


REX50_19.jpg

外したACコード。写真では分かりにくいですが本体側とプラグの根元部分が
ヨレヨレしています。頻繁に移動させたりしているとこうなりますね。
まだ発熱する程には至っていませんが、被覆が波打っているという事は中で
断線が進んでいると思うので、適当なACコードに交換します。

それと、基板に直結されているのにコードはキャビ側に取り付けられている
フェライトコアを通されているので、基板を取り出したい時にいちいちコー
ドのハンダ付けを外さなければならず、これも面倒です。


REX50_20.jpg

元のコードを端子ごと取り外し、そこにコネクタを取り付け。

REX50_21.jpg

新しいコードを通します。ブッシング部分がピッタリはまらず多少すき間が
出来るので、そこはホットボンドで埋めておきました。

REX50_22.jpg

合体。これで基板を取り出したい時に、すぐACコードを分離できます。


REX50_23.jpg

修復完了。これでまた安心して使えますね~。このコードが痛まないうちに
早く定位置を確保して設置したいところ。


REX50_24.jpg

作業後に動作チェックで電源を入れたら、いきなりこれ(笑)。

元々基板に付いていた電池を入れていましたが、電池表面の酸化とホコリで
接触不良を起こした模様。

REX50_25.jpg

SRAM の内容がバグったのか、エフェクト名に何やら奇妙な表示が…。

この電池、87-08 と印刷されていたので34年前の物ですね。どうせだから
ついでに新品の CR2032 に交換しておきました。
交換後は再度ユーザエリアの初期化操作をして、作業完了。


一応それなりの頻度で使っていますが、やはり古い時代のエフェクタという
感じがしますねぇ。プログラムの1~4がそれぞれ HALL、ROOM、VOCAL、
PLATE となっていますが、どれを選んでも PLATE っぽい金属的な響きです。
そう言えば昔使っていた時もこの金属的な響きが気になっていたように思い
ます。リズムマシンとか繋ぐと、特定の金物を鳴らした時にキンキンと共鳴
してるような残響が聞こえるんですよね。

ただパラメータにちゃんとLPF・HPFが用意されているので、調整しだいで
どうにでも出来るのが有難いところ。



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2021年11月04日

ヤマハ REX50 メンテの続きと改造少々

昨日に引き続き REX50 のメンテをやって行きまする。それとついでに気に
入らない部分の改造も。


REX50_09.jpg

電源平滑用の2,200uF 3本以外の電解コンデンサを全交換しました。

10uF 16V (BP) ×7
10uF 50V ×4
2.2uF 50V ×1
220uF 16V ×1


次にA/Dオフセット調整。

REX50 の出力端子にアンプとスピーカを繋ぎ、[BYPASS] と [MEMORY]
ボタンを押しながら電源を入れると、テストモードに入る事が出来ます。

↑↓ ボタンでテスト4を選択し [RECALL] ボタンを押すと、スピーカから
ポッ ポッ ポッ... と小さなクリック音が鳴るので、基板上の半固定抵抗
VR103 (OFFSET) を回し、そのクリック音が最小または聞こえなくなる
位置に調整。

他にVR102 (A/Dレベル)、VR104 (D/Aレベル) があるけど、ここの調整
はオシロか歪み計が必要なので、今回は触らず。


それが済んだら次はテスト5を選択して [RECALL] を押すと、LCD画面に

RESET USER PRG?

と表示されます。この状態で [STORE] ボタンを押すと、本体に内蔵の
プリセットエフェクト01~30が、ユーザエリア31~90に書き込まれます。
要はユーザエリアの初期化ですね。

SET USER PRG.

と表示されれば初期化完了。

※ユーザエフェクトの設定は、電源トランス左のSRAM TC5565AFL-15
に記憶されています。電池を抜いてしばらく放置していれば SRAM の内容
を完全に消すことが出来ます。
素早く全てのエフェクトデータを消したい場合は、電源を切って電池を抜い
てから、SRAM のすぐ横のタンタル(10uF / 16V)の足をショートします。
電池→ダイオード→SRAM となっているので、電池ホルダの+と-をショー
トしてもタンタルの電荷は抜けません。


次はテスト10~17、DRAMチェックに移ります。テスト10からそれぞれ
ひとつずつ [RECALL] を押して行き、それぞれLCDに
テスト10:THR
テスト11:04B
テスト12:08B
テスト13:12B
テスト14:16B
テスト15:20B
テスト16:-MX
テスト17:+MX
と表示されれば正常です。

なお、SRAM、ROM、DSP、MODの回路は電源ON時に自動的にチェック
が行われる模様。


次は改造をして行きましょうか。

REX50 の7セグメントLEDは三洋のSL-1284 (アノードコモン)が使われて
いますが、たまたま手元に緑文字で表示が大きい SL-2264 があったので、
こいつに交換する事に。

REX50_10.jpg

三洋製 SL-2264 です。アノードコモン、緑LED。

REX50_13.jpg

元の SL-1284 を基板から撤去します。この辺はパターンがかなり細いので、
ちんたらやっているとすぐにパターンを剥がしてしまいます。手早くが鉄則。

REX50_11.jpg

元のLEDと比べてみると、5mmほど高さが合いませんねぇ…。

REX50_12.jpg

IC ソケットを使って下駄をはかせたら、丁度良い感じになりました。

REX50_14.jpg

ハンダ付け。

REX50_15.jpg

テスト点灯。うん、いい感じ…ではありますが、セグメントごとの電流制限
抵抗は全て270Ωが入っているのに、なぜか部分的に暗いセグメントがあり
ますね。このLEDディスプレイ自体かなり古い物な上に元ジャンクなので、
もしかしたらLEDが劣化しているのかも。

それと、フロントパネルの黒枠が微妙に右上に重なってしまっていますね。
ちょっと文字が大きすぎたか…。


REX50_16.jpg

というかそもそも製造時の組み付けがおかしいのか、基板がケースに対して
若干右寄りになっているんですよね、この個体。
真正面から見ても、LCDの左枠がよりはみ出ていますし。
でも基板がほとんど左に寄らないので致し方なし。


REX50_17.jpg

レベル表示のLEDも橙・橙・赤から緑・橙・赤に変更。LEDの色を変えずに
いられない病、発症です。

さすがに青色LEDを使う気にはなれませんね。古い機材に無理やり青や白の
LEDを使うと、レトロ感が失われて台無しです。

左下の白いのは、画像の傾き修正失敗(笑)。

LEDの色変更に伴って、パネルに付いていた紫色のフィルムはひっぺがし。
パネルに張り付いてしまっていたフィルムの紫インク成分は、アルコール
ティッシュで擦ったら綺麗に落ちました。


REX50_18.jpg

という訳で一通りメンテと改造をして、PSR-310 に接続してみました。

うん、やっぱり空間系エフェクトは必須ですねぇ。一気に音が豪華になりま
した。REX50 はそれほど高品位なエフェクタではないですが、こうして少し
弾くくらいなら十分です。
これで PSR-310 をさらに楽しく弾けますね~。

配線は増えるけど…。



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posted by ゆう at 2021年11月04日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月03日

ヤマハ REX50 をまた買った

11月に入ってだいぶ寒くなって来ましたが、DTMerの皆様におかれましては
全裸DTMが捗っておられる事とお慶び申し上げます。


以前ヤマハ PSR-310 に何とか DSP を載せようと試行錯誤をしていましたが、
どうにも無理なので結局エフェクタを買いました。

REX50_01.jpg

ヤマハ REX50 です。ちなみにこれ2台目で以前も使っていたのですが、身の
周りにDSP内蔵の楽器が増えて来た事もあって、暫く使わなかったので不要と
判断し、ハードオフに売っちゃったんですよね~。
あー、処分せず保管しておけば良かったと後悔。

操作に慣れている事もあってまた買い直しました。本体はジャンク扱いで激安
¥500、プラス送料¥1,000で¥1,500。


ちなみにこのエフェクタは1987年6月の発売で、当時定価¥49,800でした。
¥55,000と書かれているサイトもあるようですが、ヤマハに確認取りました
ので間違いないかと(消費税は'89から)。

このエフェクタ、実は音質がクッソ悪いんです。

アナログ部の周波数特性は驚異の 20Hz~12kHz

D/A変換も 16bit 31.25kHz。実質15kHzくらいまでしか出ません。

でも残響はそこまで高音質である必要はないという事を、こいつは身をもっ
て証明してくれているのか、普通に使っていて特に困る事はないですね。

収録されているエフェクトはリヴァーブ、ディレイ等の空間系に加えてディ
ストーション(デジタル)、コンプレッサ、ピッチシフタ等も入っています。
何と言っても個人的に有難いのはステレオ入力な点と、入力をそのまま出力
に出すステレオミックス・スイッチがある所(ステレオミックスがOFFの状態
では、出力はウェットのみになります)。

PSR-310 の改造のように、出力を完全に一旦エフェクタに送るような回路
の場合は、このステレオミックスをONにすればドライ音も同時に送られる
ので、複雑な改造をしなくて済みます。


まぁ今回はうちに届いたばかりなので、とりあえずメンテして行きますか。

REX50_ICs.jpg

例によって IC 一覧です。時代が時代なので IC や LSI の集積度が低い分、
基板の集積度は高いですね。

真ん中辺りのD-RAMx6、サービスマニュアルでは M5M4416P-12 と書か
れているのでそう書いていますが、自分が買った実機は MB81416-12
実装されています。


REX50_02.jpg

まずはボタン。当然タクトスイッチの効きが悪いどころか UP ボタンは全く
効かないので、MEMORY / UP / DOWN / UTILITY の4つを交換。
操作が非常にスムースになりました。


REX50_03.jpg

基板を外してみると、何やらちょっと嫌~なものが…。

REX50_04.jpg

ここがわずかに腐食しているようです。ここはメモリ・バックアップ用の
電池が付いている部分ですね。まだアルコール歯ブラシで十分綺麗になる
程度で良かったです。がっつり漏れていたらやる気なくす。


REX50_05.jpg

基板直付けタイプのバックアップ電池はソケット式に。電池残量はまだ十分
ある(3.1V)ので、元々付いていた電池のタブを引きちぎってソケットにIN。

※REX50は MIDI OUT、カセットI/O、RAMカードスロット等がないので、
紙などに書き留める以外、本体内のメモリ内容を外部に転送する術がありま
せん。電池交換を行うと、SRAM の内容は全て消えてしまいます。
どうしても消したくない時は、別の3V電池を用意して一時的に接続した状態
で電池を交換するしかありません。


REX50_06.jpg

LEDディスプレイ部分に何か変な模様が出ています。

REX50_07.jpg

7セグLEDの点灯していないセグメントを隠すために紫色のフィルムが貼ら
れていますが、それの色素がアクリルパネルに貼り付いて剥がれてしまって
います。

う~ん、これはどうしたもんか。まぁディスプレイ表示を見る分には特に
困る事もないので、見なかった事にしよう。

背面のジャックや入力レベルボリューム、ステレオミックス・スイッチは
特にガリも出ていないので、ジャックをアルコール綿棒でスコスコとする
程度で良いでしょう。
あとはハンダ付けの薄い電源トランスやジャック類を追いハンダした位。


REX50_08.jpg

と、とりあえず一通りのメンテはしましたが、まだ音出ししてないんです
よね。そのうち PSR-310 に繋いでみようと思います。


壊れていたらどうしよう…。



タグ:YAMAHA REX50
posted by ゆう at 2021年11月03日| Comment(0) | 電子楽器 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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