2025年09月28日

簡単なモータ正転・逆転回路を作りたい

もうそろそろ10月っすね~。その割には30℃超えの夏みたいな気候が未だ
続いておりますが、DTMerの皆さまにおかれましては秋の豊穣全裸DTMが
捗っておられる事とお慶び申し上げます。


夏の暑さでちょっと更新をサボり気味なので、そろそろ積極的に色々作って
行きたいところ。今回は、2つのスイッチでDC用モータを正転・逆転させる
簡単な回路を作ってみました。


MotorInvertDriver_01.jpg

通常、モータを正転・逆転させるには、このようなモータドライバICが良く
使われます(写真はPS2の基板で6664がスピンドルモータ用、5810がトレイ
開閉用のチルトドライバ)。
しかし簡単な用途ではもっと楽に作りたいって事で、ICを使わずMOSFETや
トランジスタで作れて、極力部品点数の少ない回路を考えてみました。

MotorInvertDriver_02.png

回路図はこんな感じです。MOSFETには250V 8.1Aの IRF634A を使用して
いますが、小さなホビー用モータならBJTでも良いでしょう。その場合は、
B の抵抗を1k→220Ωなど小さくし、10kΩの抵抗も撤去します。真ん中の
コンデンサ0.1uFは無くても可。

MotorInvertDriver_03.jpg

という訳で完成。試作なのでブレッドボードに組んでいますが、しっかりと
基板にすればもっと小さく作れますね。

MotorInvertDriver_04.jpg

実験では電源電圧+5Vで動かしています。モータの回転が速過ぎると方向の
判別が出来ないので、48V用モータをゆるゆる回転させて動作確認。




動画を撮ってみました(約19秒・音声なし)。右のスイッチを押せば時計回り
に、左のスイッチを押せば反時計回りに回転します。

手動で開閉するフタ的な何かを電動で開閉する位なら、この程度の回路でも
十分実用になると思います。


但し、この回路には安全装置が一切ありません。スイッチを各々単独で操作
する分には問題ありませんが、同時押しすると酷い目に遭います(笑)。

MotorInvertDriver_05.png

電流の流れはこうなっていますが、同時押しすると両方のMOSFETが共に
ONしてしまうので、電源がショートする形になります。今回の実験では
電源が5V 1A程度なのでジワ~ッと熱くなる程度ですが、12Vや24Vなどで
同時押しすると大電流が流れ、MOSFETが破裂して吹き飛ぶ事もあります。

また、スイッチを直接モータの電流が流れるので、大きなモータを回すなら
大きなスイッチにしないと、接点が溶着する事があります。


MotorInvertDriver_06.png

一応安全策を講じた回路図も載せておきますか…。

MOSFETの G にトランジスタを追加しました。片方だけの動作の場合、この
トランジスタは特に影響しませんが、同時押しした場合は片方のMOSFETの
G をGNDに落とすので、最悪両方のMOSFETがONになる事はありません。

またリミットスイッチも追加しておきました。「ここまで可動させたい」と
思う場所にこのスイッチを設置すれば、その位置で自動的にモータの電源が
切れ、それ以上同じ方向には回らなくなります。
押すとOFFになるマイクロスイッチをプッシュスイッチと直列に入れるだけ
でも可。


こういう回路は車載用品のちょっとした電動化に便利かも知れない。車載で
使う場合は電源にヒューズをお忘れなく。


まぁ…6Pのセンター戻りバネが付いたトグルやロッカスイッチなら、こんな
回路すら要らないんですけどね…。





posted by ゆう at 2025年09月28日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月14日

NE555Pを大量に買ったので…

9月も半ばだというのに暑いっすねぇ…。いい加減そろそろ涼しくなっても
良さそうなもんですが。


先日、蟻さんでNE555Pをまとめ買いしたので、簡単に何か作ってみようと
思っただけの記事です。

NE555PoliceLight_02.jpg

50個で¥550程度なので1個¥10かそこら。安いですね~。そう言えばこの
ブログではNE555を使った工作を載せた事がなかったな。というか普段、
NE555を使う事ってあんまりないんですよね。

555の詳しい解説は Wikipedia の記事に丸投げするとして、恐らくICの中
ではオペアンプ 4558と並び超有名なので、多少でも電子工作をやった事が
ある方は、一度は聞いた事あるんじゃないでしょーか。

個人的には555と聞くと、スポンサーであるブリティッシュ・アメリカン・
タバコのロゴが入ったインプレッサWRCを真っ先に思い浮かべますが。

555Impreza.jpg


で、作る回路はこれです。

car_patocar_america.png

アメリカのパトカーは赤/青のパトランプを搭載していますが、このランプ
を模した物を作ってみます。
赤や青の表示灯を、緊急車両以外の車両に取り付け公道走行すると、不正
改造や道路交通法違反、道路運送車両法違反に問われる可能性があります。
車両に取り付けて走行しないでください。

ただ、赤と青を交互に点灯させるだけなら555でなくても、以前の記事にも
挙げたような、トランジスタを使った非安定マルチバイブレータ回路で可能
です。

今回は555を2個使ってひと手間加え、小刻みに点滅しながら赤/青が交互に
点灯する回路にしてみましょうか。

NE555PoliceLight_01.png

という訳で回路図。

NE555PoliceLight_03.jpg

そして完成。

左の555を無安定モードで動作させて短い矩形波パルスを作り、それを右の
単安定モードな555で赤⇔青に振り分けるような動作をしています。

…とぼんやり分かるんですが、正直細かな動作はまだ理解出来ておりません
(オシロでコンデンサの充放電を見ようとすると動作が止まってしまうので、
正常に計測出来ない)。Grokに聞いてみたものの、解説が難しく余計に混乱
する始末。もっと勉強しないといけませんね。

抵抗やコンデンサの定数以外に、LEDを流れる電流によっても点滅の周期が
微妙に変わるので、その辺りは実物で試してみるしかないですね。
左右で同じ定数にすると、赤LEDの方が若干点灯時間が長くなります。




動画に撮ってみました(10秒・音声なし)。
どうやらシャッタ速度が間に合わないみたいで、点滅が綺麗に撮れません。
肉眼では、どちらも細かく点滅しているんですが。

動画用に、右の555にぶら下がるコンデンサの値を1uFと大きめにしておき、
赤⇔青の移行をゆっくりにしています。実際は回路図にあるように0.47uF
あたりにして、速めに往復させた方が本物っぽいです。

欲を言えば、パパパッ パパパッ パパパッ パパパッ といった具合に「3回点滅+
1回休み」のパターンで赤⇔青交互に光るとより本物っぽいんですが、その
1回休み を入れる為にはカウンタICを使わなければならないので、今回は
あくまで「それっぽい」仕様。


尚、今回は左右1個ずつしかLEDを使っていないので555で直接点灯させて
いますが、数を増やしたりパワーLEDを使って作る場合は、MOSFET等を
使ってスイッチングする必要があります。


同様に555を利用してパトカーのサイレンっぽい物も作れるので、そのうち
作ってこれに足してみようかな。



posted by ゆう at 2025年09月14日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月11日

激安LCDデジタル温度計

今回は、たまたま見かけて買ってみた激安LCDデジタル温度計がそこそこ
良かったので紹介するだけの記事です。今回で600記事目。


CheapThermometer_01.jpg

良くあるタイプの物ですね~。3個セットで¥500ほど。これ良く見かける
のですが、精度が気になったので買って試してみようかと。測定可能な温度
範囲は -50℃~110℃ なので、結構使い道ありそうです。

まぁ例によって3個も要らなかったけど…。

ちなみに届いた時点で全部電源が入ってました。普通こういうのって絶縁の
シートが入っていて、電池が消耗しないようになっているものだと思うけど。

CheapThermometer_09.jpg

センサの配線長は約1mあるので、様々な場所に設置できそう。

CheapThermometer_08.jpg

サーミスタはシリコンでモールドされているので、液体の温度計測も可能。


CheapThermometer_02.jpg

電源はまたしてもLR44が2個です。


CheapThermometer_03.jpg

当然バラすよね~。中身はそれほど複雑な物ではありません。

CheapThermometer_04.jpg

基板はこのようになっています。ICは当然モールドされている状態なので
型番等は全く分かりません。

電池2個入っているけど並列なんですね。1.5V で動く模様。温度センサの
配線が激細なので、あまり動かしていると千切れますね。

CheapThermometer_05.jpg

基板にショートランドが2ヶ所あります。

CheapThermometer_06.jpg

F の方をショートさせると、単位が華氏(℉)に。

10s の方をショートさせると、表示の更新が速くなります。ショートさせて
いない状態では約13秒、ショートさせると2.7秒くらいになります。

当然更新が速い方が電池の消耗も速くなるので、対象の温度変化に合わせて
切り替えるのが良いでしょう。気温等は遅め、機器の計測では速め、など。
今回は3個あるので、1個だけショートさせた状態で電池の消耗も見ようと
思います。


CheapThermometer_07.jpg

先日購入したオーム電機の温湿度計とほぼ同温度を表示しているので、精度
はそれほど悪くはなさそう。3個とも温度は揃っています。

ただ、熱電対ではなくサーミスタ式でセンサもスリーブに入っているので、
追従性はそれほど良くないです。もっと追従性を上げるには、スリーブから
取り出すか、別の適合するサーミスタに交換した方が良いかも。

今のところ特に用途はありませんが、実験等で使って行こうと思います。



posted by ゆう at 2025年09月11日| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月08日

1.5V壁掛け時計をAC100Vで動かしてみる(危)

まだまだ暑いっすな…。今回は、単三電池1本 1.5Vで動作する壁掛け時計を
強引にAC100V直結で動かしてみるというおバカ記事です。


100to1R8_01b.png

早速ですが回路図。使用する部品はたったの6点。こんなんで果たして1.5V
動作の時計を動かせるんでしょうか…。不穏な感じがギュンギュンします。

100to1R8_02.jpg

作りました。

今回電解コンデンサは一応安全を考慮して400V耐圧の4.7uFを使っています
が、多分6.3Vとか16Vとか、それくらいでも十分です。その分もうちょっと
容量を増やした方が良かったかも知れない。47uFとか。

で、見ての通り全く絶縁されていない上にかなり強引な回路なので、電解の
耐圧が低い場合、万が一直列になっているダイオードが1個でもオープンで
壊れると、確実にパーン!します。安全性は全くありません🤣

一応ヒューズ(白色)を入れておきましたが、ブレーカを落としたくないから
入れておいただけですね。電流は大して取れません。


100to1R8_03.jpg

通電すると約1.4Vくらい出力されます。

ダイオードを4つ使っていますがブリッジ整流している訳ではなく、1個で
半波整流しているだけです。

残りの3つは直列にして出力の+から-へ繋いでいます。この部分で電圧が
決まっています。今回使用した整流用ダイオード FR153 は Vf が大体0.5V
なので、3直列で1.5Vになります。この Vf 分が出力電圧になる訳です。
普通の整流用ダイオードをシャントとして利用しています。

100to1R8_04.jpg

超高輝度な赤色LEDであればぼんやりと光らせる事は出来ますが、青や白は
無理ですね。


100to1R8_05.jpg

これを壁掛け時計の電池と接する端子に繋いで、通電してみます。


100to1R8_06.jpg

写真では全く分かりませんが、動きませんでした(笑)。通電した瞬間に1秒
だけ動きますが、それ以降は秒針が同じ位置で プルッ プルッ …とするだけ
ですね。電池が消耗した時と同じ動きなので電流容量が足りてないっぽい。
もうちょっと消費電流の少ない時計なら動くはず。

この回路単体では、無負荷の状態で消費電流がAC2.5mA程度なので、0.3W
くらいですか。時計を繋いでも0.5Wも行かないでしょう。

負荷にもよりますが、通電中は抵抗がほんのり発熱します。効率はそれほど
悪くないと思いますが、安全性がね~…。
100mA程度のヒューズを入れて、抵抗の発熱を逃がせるようにしておけば
良い気はするけど、さすがにちょっとこれを常用しようという気にはなりま
せんね。

まぁこんな回路もありますよって事で。



posted by ゆう at 2025年09月08日| Comment(0) | 電子工作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月01日

呼び込み君ミニ をCR2032化

今日から9月ですね。まだまだ暑い日が続いておりますがDTMerの皆さまに
おかれましては、アース・ウィンド・アンド全裸DTMが捗っておられる事と
お慶び申し上げます。

この所ずっと暑さのせいで何もやる気が起きず、ブログも放置気味になって
おりますが、ぼちぼち何かやって行かないとサボり癖がついてしまいそう。


YobiMini2032_01.jpg

以前購入した 呼び込み君ミニ で久しぶりにポポろうとしたら、電池が粉を
吹いていました。う~ん、ちゃんと取り出して袋に入れて保管しておいたん
ですけどね~…。購入から3年半も経つし、寿命ですかね。

前から思っていたんですけど、さすがに今時 LR44 ってまず使わないんじゃ
ないですかね。自分は任天堂 ゲーム&ウオッチくらいしか使った記憶ない
です。2画面折り畳みのドンキーコングは画期的だったなぁ。

それはさておき、この手のボタン電池って液漏れしやすいので、CR2032 で
使えるようにしてしまおうと思います。


YobiMini2032_02.jpg

まず電池を入れるこの内側の出っ張り部分を、全部削り落として平らにして
しまいます。

YobiMini2032_03.jpg

ペンチでぶっちぎってリューターでゴリゴリし、ヤスリでバリを取った所。

YobiMini2032_04.jpg

真ん中の仕切り部分も不要なので削り落としましたが、このままでは電池が
交換出来ません。そこで、横から挿し込む形にしようと思います。

YobiMini2032_05.jpg

横っ腹に電池の大きさ(20mmx3.2mm)でスリット状に穴を開けます。

ここからCR2032を抜き差しします。ポポりたくなったらその辺に転がって
いる電池をここに挿し込み、満足したら抜くようにしておけば液漏れ被害に
遭わなくて済むでしょう。


YobiMini2032_06.jpg

こんな感じになりました。この厚みが収まるかどうか…。

YobiMini2032_07.jpg

電池フタのこの出っ張りも不要なので削り落としておきます。全体の厚みが
ギリギリっぽいので、干渉しそうな部分は全て削っておかないと。

YobiMini2032_08.jpg

基板に付いている電池の接点も撤去。えらく久しぶりに、ハンダごてを通電
した気がする。

YobiMini2032_09.jpg

電池ホルダに配線。


YobiMini2032_10.jpg

電池ホルダは位置を合わせて、ホットボンドでネッチョネチョにして固定。
多分それほど力はかからないので、これでも大丈夫でしょう。

ホントはエポキシ接着剤で留めたかったんですけどね~。いつものセ○アで
売っている2液接着剤を切らしていました。また買って来ないとだ。


YobiMini2032_11.jpg

配線を整えつつ腕をハメ込んで、バックキャビを閉じて完成。

YobiMini2032_12.jpg

電池ホルダ(黒)と基板(茶)のすき間はクリアランス 0です。無理やりという
ほどギュウギュウにはなっていませんが、配線が挟まるともう閉じられなく
なってしまいますね。

今思うと電池フタ用のナットも撤去してしまった方が良かったかな。しかし
それだと電池を交換するのにバックキャビを開けなければならない。電池は
入れっぱなしにしたくないんですよね~。
これに限らず、時々しか使わないリモコン等も普段全て電池を抜いた状態で
保管しています。液漏れ嫌だからね。


YobiMini2032_13.jpg

電池はこのように、横からスコッと挿し込みます。ポポったらすぐに電池を
抜けるよう、5mmくらい出っ張っています。

YobiMini2032_14.jpg

電池を入れたままだと、元のブリスターパックに入らなくなりました(笑)。
まぁ元々電池入れたまま保管するつもりもないですし、これで電池抜き忘れ
防止にもなるんで、良いんじゃないでしょうか。

これで心行くまでポポれる。



posted by ゆう at 2025年09月01日| Comment(0) | 修理・改造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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